大みそかのボクシング・トリプル世界戦の顔合わせイベントが、25日に羽田空港内で行われた。

日本人初の4階級制覇王者井岡一翔(30=Reason大貴)が、東京・大田区総合体育館でのV1戦で、WBO世界スーパーフライ級1位ジェイビエール・シントロン(24=プエルトリコ)を迎え撃つ。渋谷109での前回に続いて、ファンを前に調印式とフェースオフに臨んだ。

井岡は10月から米ラスベガスで2カ月間、恒例のキャンプをこなし、20日に帰国していた。「スパーリングを中心に練習し、自分自身とも向き合い、勝つための準備をしてきた。今はベストで挑めるように整えている」と話した。

4階級制覇を達成した直後には、元モデルの女性と晴れて再婚した。8月には長男・磨永翔(まなと)君も生まれた。キャンプには2人を同伴し、サポートと癒やしを受けた。「父親になり、息子に勝つ姿を見せたい」と誓う。トランクスにも長男の名前を初めて入れると明かし「気も引き締まる」と決意を口にした。

セミファイナルではWBO世界フライ級王者田中恒成(24=畑中)がV3戦に挑む。WBO総会で来日したフランシスコ・バルカルセル会長(71)は、来年井岡に田中が4階級制覇へ挑戦する一戦を後押しすると発言した。さらに23日に約1年3カ月ぶりで復帰した元4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(32=ニカラグア)も、標的の1人に井岡の名を挙げた。井岡は「今はこの戦いに集中している。クリアすれば、次の防衛や統一戦に視野が広がる。ないわけではない。その時が来れば」と答えるにとどまった。

初対面のシントロンとは約25秒間にらみ合った。「イメージは変わらない。五輪に2回出て、プロでは負けなし。試合が楽しみ。熱い試合で今年最後を締めくくりたい」と、8度目となる大みそかの試合を待ち焦がれた。