「2020年度プロレス大賞選考会」(東京スポーツ新聞社制定)が14日行われ、新日本プロレスの内藤哲也(38)が3年ぶり3度目のMVPに輝いた。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、オンラインでの開催となり、授賞式は行わない。

今年1月5日、内藤はオカダを破り、IWGPヘビー級&インターコンチネンタルの2冠王者に輝いた。この試合は年間最高試合(ベストバウト)に選出され、こちらも2冠を獲得。人気、実績もトップの2人が35分に及ぶ激闘を繰り広げ、持ち味を出し切ったことが評価された。「会場の内藤コールは心に響いた。1年振り返ったときに一番印象に残っている。俺とオカダ、そして声を出してコールしてくれたみなさまと一緒に作り上げたベストバウトだと思う。グラシアス!」と喜んだ。

好スタートを切ったが、コロナ禍で3月から大会が中止となり、6月の再開後も無観客が続いた。10年間待ちこがれた高橋ヒロムとの対戦もなくなった。「思っていたのと全く違った年になった。思い通りにいかないあたり、内藤哲也らしい」と苦笑いで振り返った。

その後は「授賞式ないんでしょう? だったらここでやりましょうよ」と大好きなファミレスの出前を取り、自ら“開催”。司会の質問にも「食事中なんで」と答えず、ステーキ、ピザなど6678円分の料理を黙々と食べ始め、内藤ワールドを展開した。

来年1月の東京ドーム大会では、4日にG1クライマックス連覇の飯伏と、勝てば5日にホワイトと防衛戦を戦う。「来年もコロナの影響で、レスラーもお客さまも我慢の日々が続きますが、一緒に進んでいきましょう」とメッセージを送った。20年の主役となった男は、21年もその座を守り続ける。【松熊洋介】