元前頭貴ノ岩(28)が起こした暴力問題を受けて、日本相撲協会は19日、東京・両国国技館で理事会を開き、暴力禁止規定や力士の暴力に対する処分基準を決めた。横綱が暴力を振るった場合は「引退勧告以上」とするなど、関取衆、若い衆と番付に応じた処分基準を発表した。

<暴力禁止規定要旨>

一、道具を用いた暴力、指導の範囲を逸脱したしごき、握り拳で殴るなど禁じ手を用いる行為を行ってはならない。

一、禁止行為を行った協会員に対し、内容や程度に応じてけん責、報酬減額、出場停止、業務停止、降格、引退勧告、懲戒解雇の処分を行う。

一、禁止行為を行った者が自らの師匠、一門のコンプライアンス担当年寄に自主申告したときは懲戒処分を軽減または免除できる。

一、禁止行為を防止、抑制できたのに怠った者に対しては懲戒処分を行うことができる。

一、禁止行為を行った者が未成年である場合は、その将来性を考慮して懲戒処分を軽減できる。

一、理事長は禁止行為を行った者に本場所等への出場自粛など、処分決定まで暫定措置を取ることができる。

一、協会は禁止行為を行った者が未成年である場合などを除き、原則として実名を含め、その内容等の概要を公表しなければならない。