大相撲の3大関で唯一、合同稽古の参加を見送った朝乃山(26=高砂)は、周囲の声に惑わされずマイペースで調整を進めている。

21日、電話取材に応じ、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古に参加しなかったことについて「世間から見たら合同稽古に参加しろって言われると思う。1人だけ何やってんだと思われる。そういう記事を見たときに『あー』と思ったが、それに惑わされずに。自分は部屋でやると決めた。できることをしっかり考えて、できることをやってきたつもり。番付発表迎えてからも初日に向けてやっていきたい」と力を込めた。

19日から部屋の幕下力士を相手に相撲を取る稽古を再開しており、1日15番前後の番数を重ねているという。この日は「集中したかったので。すみません」と、報道陣に非公開で稽古を行った。「体重だけじゃ意味がない。体重かける力。あとスピードがあれば体重を伝えられる」と、立ち合いの圧力をテーマに取り組んでいる。

11月場所(8日初日、両国国技館)は観客の上限が約2500人から約5000人に増える。「お客さんが増えることで力士は励みになる。コロナ対策をして、足を運んでくださっている人に恥じない相撲を取るのは力士の役目だと思う」と、看板力士としての責任感を口にした。