大相撲初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)をかど番で迎える2大関が11月30日、途中休場した11月場所後、初めて取材に応じ、雪辱を誓った。朝乃山(26=高砂)は負傷した右肩の回復を強調。先代師匠の定年に伴い新体制となる部屋から再起を図る。正代(29=時津風)は左足首への負荷を抑えながら調整。慎重な姿勢を示しつつ、気負わずにかど番脱出を目指す。

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朝乃山は右肩の状態について「(痛みは)ほとんどないですね。力はもう、ほとんど入りますよ」と明るい声色で説明した。2週間前の負傷直後は右腕を上げる動作もできなかったが、現在は日常生活に支障はないという。この日は四股などの基礎運動で調整。番付発表が行われる24日までには相撲を取る稽古を再開させる予定で「自分にできることを考えながら、やっていきたい」と力を込めた。

休場中は毎日欠かさず、午後1時からテレビで放送される幕下の取組から観戦していた。「本来であれば15日間出てるのに、なんでテレビの前で第三者のところにいるんだろうという気持ちだった」と、悔しさが募った。

12月9日に65歳を迎え先代高砂親方(元大関朝潮)が定年となり、前錦島親方(元関脇朝赤龍)が部屋を継承する。新師匠は自身の入門時は現役の関取で、11月場所後には「『お互い協力して、部屋を活気づけて、部屋を盛り上げていくように頑張ろうね』と言われました」と誓い合ったことを明かした。心機一転。「悔しい思いを来場所にぶつけたい」。まずはかど番脱出を期す。【佐藤礼征】