東三段目54枚目の小城ノ浜(26=出羽海)が、西三段目38枚目の浪満(19=立浪)との全勝対決を制し、全勝優勝を果たした。

最初の立ち合いはつっかけてしまい、2度目の立ち合いは成立。浪満の当たりを受けて下がってしまったが、左に動いて体勢を整え、右を差して前へ出ていき押し出した。

自身初の各段優勝がかかっていただけに「昨日の夜ぐらいから意識していた。場所に入るまで意識しました」。しかし、花道を通り、土俵下で控えている時に気持ちが落ちついた。「相手の方が気合が入っていた。それが落ち着けた要因にもなった」と、浪満の気合の入った様子を冷静にみることができたという。

また、部屋の小結御嶽海からもらった精神面でのアドバイスも効いたという。「優勝してもこれで終わりじゃない。1日一番を意識して」と目の前の一番に集中できた。

ケガに負けなかった。19年1月に左足首の手術を受けた。「外形骨が外れて筋肉が挟まった。外形骨をくり抜いてプレートを入れました」と説明。3場所連続全休となり、幕下から序二段まで番付を落とした同年秋場所で復帰した。順調に番付を上げて20年7月場所で幕下に戻ってきたが、同場所後の稽古中に右足親指を脱臼。翌秋場所を全休し、11月場所で三段目に陥落してしまった。

ケガが続いたため、験直しに改名を考えた。師匠の出羽海親方(元前頭小城ノ花)に相談し、昨年11月場所で「碧海浜」から「小城ノ浜」に改名。「師匠の『小城ノ』を頂いて小城ノ浜にしていいですか、と聞いたら『いいよ』と言ってもらいました。このしこ名で頑張りたいと思った」と心機一転し、改名から2場所目で結果を出した。

来場所での幕下復帰が確実となったが「1歩1歩ととらえて相撲を取っている。幕下に戻るとかはあまり意識していませんでした」と欲は出さなかった。