大相撲名古屋場所(4日初日、ドルフィンズアリーナ)を休場することが決まった関脇高安(31=田子ノ浦)について、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が2日、報道陣の電話取材に応じ「急性腰痛症。ぎっくり腰みたいなもの」と、休場理由を説明した。高安は2場所連続で10勝しており、今場所の成績次第では19年九州場所以来となる大関復帰の可能性があった。

高安が腰を痛めたのは前日1日の稽古後。「歩くのに支障があった。本人も出たい気持ちがあったみたいだけど、昨日(1日)の夜遅くに(休場を)決めた」と師匠。病院では加療10日間と診断されたという。

大関復帰の目安は「三役で3場所33勝」。この日、報道陣の電話取材に応じた審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)は「10勝、10勝なので、優勝でもすればチャンスがないわけじゃない」と話していた。高いハードルが設けられる見通しだっただけに、初日からの休場により大関復帰は絶望的な状況となった。

高安は過去にも「ぎっくり腰」で休場した経験がある。19年九州場所8日目、取組直前に支度部屋で腰を痛めて不戦敗に。土俵入りまでした後に休場するのは異例のことだった。

高安自身は腰の状態が回復すれば、出場する意向を示しているという。現在は都内で治療中で、3日までに名古屋入りする予定。田子ノ浦親方は「どの場所も大事だが、今場所はいろんな意味で大事だった。具合によってはいつ出るか、考えながらやっていきたい」と話した。