日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で大相撲九州場所(11月14日初日、福岡国際センター)の番付編成会議を開き、寺沢改め朝乃若(26=高砂、本名・寺沢樹)と平戸海(21=境川、本名・坂口雄貴)の新十両昇進を決めた。また荒篤山(27=荒汐)の、2場所ぶりの再十両も決まった。

さきの秋場所で、東幕下筆頭の寺沢改め朝乃若と同2枚目の平戸海は、ともに5勝2敗の成績を収めていた。荒篤山は西幕下2枚目で4勝3敗だった。

東洋大出身の寺沢改め朝乃若は新潟県佐渡市出身。18年春場所で初土俵を踏んだが、椎間板ヘルニアを患い、初めて序ノ口で番付にしこ名が載った翌5月の夏場所から5場所連続休場し、一時は番付外となった。土俵復帰以降は序ノ口、三段目、幕下で優勝。自己最高位で臨んだ秋場所でチャンスをものにした。

昨年7月場所中に、愛するペットのウサギの遺骨をしのばせた稽古まわしを、部屋の敷地内に干していた際、盗難にあうアクシデントに見舞われたこともある。その高砂部屋からは、現師匠(元関脇朝赤龍)が昨年11月に部屋を継承以降では、秋場所新十両の朝志雄に続く2人目の関取誕生。東洋大出身では、その朝志雄に続き13人目の新十両を果たした。朝乃若のしこ名は、高砂部屋付きの若松親方(元前頭)の現役時代のしこ名で、部屋にスカウトしたのも若松親方だった。

平戸海は16年春場所の初土俵から5年半で関取の座をつかんだ。序ノ口から3年で幕下入りすると、2度の三段目降格はあったが、19年九州場所からは定着。今年に入り負け越し知らずで、自己最高位で臨んだ秋場所で、関取の座をつかんだ。また、境川部屋としても10年秋場所の城ノ龍(元十両)以来、11年ぶりの関取輩出となった。