“照ノ富士の天敵”が、通算3個目の金星を手にした。スピードと運動量に勝る東前頭2枚目の翔猿(32=追手風)が、横綱照ノ富士を送り出し。立ち合いから土俵際に吹っ飛ばされ、右をきめられかけた。だが右を引っこ抜いた勢いで照ノ富士の体を泳がせ、体勢が入れ替わった。そこからは「中に入らないように」と、つかまえたい横綱が、まわしに手が届かない距離を保ちながら押し勝った。
初日に大の里、3日目には琴桜と2大関を破っていた。ただ「横綱に勝てたことはうれしい」と、2つの“銀星”よりも金星の味は格別だった。22年秋場所、23年名古屋場所に続き、またも平幕で照ノ富士を破った。これで直近7度の対戦は、1度の不戦勝を含むとはいえ、4勝3敗と白星先行。2個目の金星の際の蹴返しや、敗れたが昨年初場所で顔を張った際に指が目に入ったことで、何度も照ノ富士を激怒させていた。
この日は動きこそ変則的だが、持ち味を生かして快勝した。横綱も完敗を認めたように、淡々と帰り支度を進めていた。「うれしいけど、ここから」。横綱、大関戦を終えて3勝1敗。優勝争いにも名乗りを上げるつもりだ。【高田文太】

