大関経験者で東前頭4枚目の高安(35=田子ノ浦)が単独トップに立った。大関大の里との1敗対決を制して9勝目を挙げた。今場所前に35歳になったベテランが、3日間で1横綱2大関を次々と撃破。中盤の大きな関門を乗り越えた。初土俵から119場所目の初優勝となれば、旭天鵬に次ぐ史上2位のスロー記録。35歳0カ月も昭和以降で3番目の高齢記録だ。悲願の初優勝に向けて残り5日間、全力を振り絞る。
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悲願の初優勝へ前進した。1敗同士の首位対決で、高安が大関大の里を撃破。立ち合いでぶちかまし、低い体勢で出続けた。「ポイントを押さえて攻められた。しっかりこらえて前に出た」。最後はもたれ込むように寄り切った。
元横綱稀勢の里(現二所ノ関親方)は高安の兄弟子。二所ノ関部屋所属の大の里は、高安にとって“おい弟子”にあたる。スピード出世で駆け上がる逸材との取組は、昨年5月の夏場所で白星を挙げて以来2度目だった。「どんどん進化している。今のうちに勝っておかないと、そのうち勝てなくなる」と奮起。「今は番付を抜かれちゃっている。胸を借りるつもりでやらないと」。全力でぶつかって再び勝利をつかみ、「こういう場でやれることは光栄。思い出に残る一番になった」とかみしめた。
3日間で1横綱2大関をなぎ倒した。8日目に横綱豊昇龍から金星獲得。その後も大関相手に連勝した。「いい相撲を取れている。終盤戦はこれを自信にしたい」と手応えを口にする。
これまで数え切れないほど優勝争いに加わってきたが、まだ賜杯を抱いたことはない。この日の取組後、プレミアムチョコレート味のスポーツドリンクをごくりと飲み干し「あー、うまい」とつぶやいた。悲願成就へ、中盤のヤマ場を次々突破。残り5日間を戦い抜き、極上の美酒に酔いしれる。【奥岡幹浩】

