あの日を忘れない。福島県須賀川市出身の西十両5枚目白熊(26=二所ノ関)は、11年3月11日に起きた東日本大震災、さらにその後の不安な日々が脳裏から離れないという。当時は11歳。小学6年に上がる目前だったが「すごい揺れでした。今でも鮮明に覚えています。学校の教室で飼っていたメダカが、水槽から飛び出してきて、床でピチャピチャしていて…。それと1番怖かったのが、夜中でもケータイの緊急地震速報の音が、ずっと鳴り止まなかったことですね」と、当時を思い出して語った。

余震が続き「何ていうか『地震酔い』みたいな感じになってしまって…」と、揺れていなくても、揺れているような感覚、平衡感覚を失っている感覚になったという。津波被害の大きかった沿岸部ではなかったが、それでも福島県は広く被害が大きかった。中学から新潟県に相撲留学しただけに、故郷の思い出は、苦いものが伴っているという。

だからこそ、自身と同じく、故郷で明るい、新たな思い出をつくってほしいと願っている。「福島のために、もっと頑張らないと」。この日は新潟の能生中、海洋高、日体大と同級生だった十両嘉陽に敗れ「勝ちたかった」と、唇をかんでいた。「また明日から。横綱(大の里)が休場ということなので、自分が部屋を引っ張っていかないと」。気持ちを引き締めていた。

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