関脇霧島(29=音羽山)が、大関返り咲きを確実にした。前日14日目に、14場所ぶり3度目の優勝を決めて臨んだ千秋楽は、大関琴桜に押し出されて連敗。12勝3敗で終えたが、優勝したことを評価された。昇進問題を預かる日本相撲協会の審判部は、大関昇進を諮る臨時理事会を八角理事長(元横綱北勝海)に要請して了承された。これまでに臨時理事会を開き、大関昇進を見送られた例はない。24年夏場所で大関から陥落したが、直近3場所34勝と復活。25日の番付編成会議と臨時理事会を経て再び「大関 霧島」が誕生する。

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念願の場面に立ち会い、霧島は満面の笑みを見せていた。優勝力士の千秋楽恒例、東の支度部屋でのバンザイ写真の撮影は、後援者らとともに、2人の子どもに挟まれて撮影した。長女のアヤゴーちゃん(6)から、おねだりされていた場面に、2年4カ月ぶりに立ち会うことができた。昨年8月に生まれた長男トゥグドゥルくんは大泣きも、長女は「楽しかった~」と大喜び。霧島は「諦めずにやってきてよかった」と、静かに喜びをかみしめた。

そんな幸せの絶頂に、さらに吉報が届いた。審判部が霧島の大関昇進を諮る臨時理事会を要請。事実上、大関返り咲きが決まった。「(番付が)下がっても、いつか戻ると自分を信じてやってきた」。最初の大関は在位6場所。陥落から2年、今度は4月に30歳となった後の5月夏場所が、2度目の大関として臨む最初の本場所となる。優勝と大関復帰に、優勝インタビューでは「最高です!」と、声を弾ませ歓声を浴びた。

大関復帰は、史上3人目の快挙だ。現行のかど番制度となった69年名古屋場所以降、陥落直後の場所で10勝以上の特例で返り咲いた例を除くと、大関復帰は過去に魁傑、照ノ富士の2人しかいない。大関昇進目安は「三役で3場所33勝」とされ、2度の昇進は、審査期間だけで6場所を要した計算。安定感は抜群だ。

大関昇進を確実とし、目指す番付は横綱しかない。最も近づいたのは2度目の優勝の直後、綱とりの24年初場所。13日目を終えて横綱照ノ富士、関脇琴ノ若とトップを並走していた。関係者によると、その13日目の取組後、霧島は「横綱になったら…」と“捕らぬたぬきの皮算用”をしていたという。そこから2連敗締め。さらに直後の2場所を連続で負け越し、大関から陥落した。以来「横綱」への思いは、安易に口にしなくなった。それが、この日はついに解禁。「自分の目標に届くまで頑張る」。心身ともに、一回りたくましくなって「大関霧島」が帰ってくる。【高田文太】

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