[ 2014年6月26日20時38分 ]顔を痛がるドイツFWトーマス・ミュラーに頭突きするポルトガルDFぺぺ(左)

 W杯ブラジル大会1次リーグG組、1分1敗の最下位ポルトガル(勝ち点1)と3位ガーナ(勝ち点1)による試合が、日本時間27日午前1時から首都ブラジリアで行われる。共に勝利しなければ決勝トーナメント進出の可能性が閉ざされる一戦だ。

 第2節の米国戦ではナニのゴールで開始早々に先制したものの、米国の連動したプレッシングに終始押し込まれ、劣勢を強いられたポルトガル。バレラの試合終了間際のゴールによって辛くも2-2で引き分け、決勝トーナメント進出へ向けて首の皮が一枚つながった状態だが、勝ち点4で並ぶ上位のドイツと米国が引き分けた場合は、勝利しても1次リーグ敗退となる。また、上位2チームに対して得失点差でも大きく下回っているため、奇跡の逆転突破に向けてはガーナ戦で大量得点での勝利が求められる。

 一方、第2節で優勝候補ドイツを相手に真っ向勝負を挑んだガーナ。2-2の引き分けに終わったものの、一時は2-1と逆転するなどドイツを大いに苦しめた。そのガーナもポルトガルとほぼ同条件となるが、得失点差では2位米国に[2]しか離されていないため、勝利した上、米国がドイツに敗れると3大会連続での決勝トーナメント進出の可能性が高まる。ただ、1-0での勝利、米国が0-1での敗戦となった場合にのみ、当該対決により敗退となる。

 ◆ポルトガル代表◆【4-3-3】

 予想スタメン

 GK

 ベト

 DF

 ペレイラ、ペペ、アルベス、ベロゾ

 MF

 モウティーニョ、カルバリョ、メイレレス

 FW

 ナニ、エデル、ロナルド

 負傷者

 DFコエントラン(ハムストリング)、FWポスティガ(ハムストリング)、FW、H・アルメイダ(ハムストリング)

 出場停止者

 なし

 ドイツ戦で退場したペペが出場停止から復帰する。一方でケガ人が増え続け、米国戦で負傷したA・アルメイダの出場が危ぶまれている。仮に出場できなければ、ベロゾを左サイドバックに回し、カルバリョを中盤の底で起用するものと思われる。また、米国戦で太もも裏を負傷したポスティガもプレー不可能なため、残されたFWのエデルを最前線に起用するしかベント監督に残された選択肢はない状況だ。

 ◆ガーナ代表◆【4-2-3-1】

 予想スタメン

 GK

 ダウダ

 DF

 アフル、ボイエ、メンサ、アサモア

 MF

 ラビウ、エシエン

 MF

 アツ、J・アユー、A・アユー

 FW

 ジャン

 負傷者:なし

 出場停止者

 MFムンタリ

 ムンタリが累積警告のため出場停止となる。そのため、ドイツ戦で出場機会のなかったエシエンが先発でのプレーとなる見込みだ。そのほか、ドイツ戦で低調なプレーに終わったボアテングに代わってJ・アユーが先発に復帰する可能性がある。それ以外でスタメンに変更はないだろう。

 ★注目選手

 ◆DFペペ(ポルトガル)

 複数得点が必要なポルトガルだが、敢えてセンターバックのペペを注目選手に挙げる。初戦のドイツ戦で頭突きをする愚行を働き、チームメートや監督をはじめ、ポルトガル国民の信頼を失墜したRマドリードDF。汚名返上に燃えるペペが最終ラインを高く設定し、チーム全体をコンパクトに保って2次攻撃を繰り返す必要がある。持ち前のスピードを生かしてバックライン後方の広大なスペースをケアできるかが、分厚い攻めをポルトガルが繰り出せるかのポイントとなる。

 ◆FWアサモア・ジャン(ガーナ)

 ガーナ不動の1トップであるジャンに注目だ。4年前のW杯南アフリカ大会でチームをベスト8に導いたジャンは、今大会も身体能力の高さを武器にランニングとポストプレーで相手守備陣を揺さぶり、ドイツ戦でゴールを挙げた。ポルトガルが前がかりに出ざるを得ないなか、ジャンのダイナミックなランニングが得転につながりやすいエリアを広げることにつながり、2列目のアツやA・アユーといったドリブラーたちの突破力をさらに増幅させる要因ともなるだろう。【超ワールドサッカー】