[ 2014年7月1日8時40分

 紙面から ]<W杯:オランダ2-1メキシコ>◇決勝トーナメント1回戦◇6月29日◇フォルタレザ

 GKギジェルモ・オチョア(28=アジャクシオ)のビッグセーブにミゲル・エレラ監督(46)のド派手なガッツポーズ-。メキシコに足りなかったのは勝利だけだった。後半40分過ぎまで前回準優勝のオランダをリードしながら、終盤の5分で2点を奪われ逆転負け。粘り強い戦いでW杯を盛り上げたメキシコが、6大会連続で決勝トーナメント1回戦で姿を消した。

 エレラ監督の怒りは収まらなかった。決勝点となった後半ロスタイムのPKの判定に「つくられたPKだ」とかみついた。ペナルティーエリア内でDFマルケスとロッベンの微妙な接触プレー。「ロッベンはこの試合で3度のダイブを行った。主審は彼にカードを出すべきだった」と主張。「我々は帰国するが、主審もそうすべきだ」と恨めしそうに言った。

 ちょっぴり太めで、コミカルな動きで注目されたが、緻密な戦術を駆使する知将でもある。1次リーグではブラジルと引き分け、この日はオランダを追い詰めた。特に前半は、ロッベン、ファンペルシーの2枚看板に仕事をさせなかった。後半3分に先制ゴールのドスサントスを、その13分後に下げ、逃げ切りを図った。しかし、この試合で今大会初めて採用された給水タイムに足をすくわれた。「あの給水タイムで選手たちが集中を欠いてしまった」と悔しそうに話した。

 W杯では毎回、大会を盛り上げる常連。「スコラリ(ブラジル)やファンハールのような監督と対戦できて誇りに思う」と、今回も確かな手応えと足跡を残した。