NGT48の山口真帆(23)が男らに襲撃された事件が、世間を騒がせている。事件当日、容疑者(後に不起訴処分)が、山口の帰宅時間を推定できるような発言を、別のメンバーがしたという事実を明かし、さらに運営サイドの対応も後手後手に回った。

騒動の中で、最も解せないのは、グループの現場責任者であるはずの今村悦朗NGT48劇場支配人(59)が、事件について一言も発しないまま退任したことだ。14日の48グループ合同成人式で、運営会社のAKSが1度だけ開いた会見にも姿を現さず、出席した取締役も「第三者委員会の判断を待って」、「警察の捜査内容に関わることなので」という回答を繰り返した。真相に迫る新事実が出なかったことが、世間の疑念や怒りを増幅させてしまった。

初めて取材をした14年から、今村氏は疑問にしっかり向き合うタイプという印象だった。公式サイトの支配人ブログを見ても分かる通り、何か発表ごとがあると、可能な限りの情報を開示し、ファンに事情を説明してきた。だからこそ、今回の対応には疑問が残る。

今村氏と最後に会ったのは、昨年12月末だった。NGT48劇場で、グループの19年の抱負を語ってもらったところ、「3年で気持ちが緩んだり、なれ合いが出てきたりすると思うから、まずは原点に返ること。基礎から固めていく『試練の年』だなと思います」と語った。今思うと、「気持ちの緩み」というのが事件やメンバーの風紀の乱れを暗示していたのだろうか?

NGT48は最近、女性をターゲットにした戦略を打ち出していた。今村氏は「18年は30~40代の女性にも興味を持っていただくことができました。NGT48は『お母さんと娘』というのを大事にしたいです。娘さんがメンバーが踊る姿を見て『ああなりたい』と憧れて、お母さんたちが『自分の娘もああなればいいな』と思ったり…。自分が子供だったころの夢を託す、そういった親子の関係を大事にしていきたいなと思います」と目標と語った。

未来のメンバーを夢見る子が現れることを願っていた。それと正反対の方向に行ってしまっている現状は、やはり悲しい。だからこそ、今村氏が今、何を思っているのか、生の言葉を聞きたい。