<D.LEAGUE25-26 ROUND.8 BLOCK VIBE>◇4月24日◇東京・青海 TOYOTAアリーナ東京
この最終戦をもって、LIFULL ALT-RHYTHMが5年間の活動を終えた。開幕前に親会社が契約期間満了に伴い、最後のシーズンになると発表された。ただし、親会社が変わるだけで、チームが存続するケースがこれまでもあったから、今回もそうなのかとも思った。
I`moonやRAPTURESがそうだったように。
シーズンが始まっても、いつもと変わらず、ぶれずにいろんな世界観を、時にはミュージカルさえも超え、お芝居のような作品を次々披露していた。
Dリーグを取材当初、アルトリにやり過ぎ感を覚え、少々苦手だった。
今は大学教授になった同僚の「ダンスじゃねえだろう」という意見に、相づちをうったりした。
それが、何シーズン前だったか、宇宙空間を遊泳する1人の宇宙飛行士を、他の7人が黒子になって支えて、運んで、動かして表現する、空前絶後の作品がきっかけだったと思う。
負けても、負けても、時々勝っても、どんな作品でも、「アルトリワールド」の一言で納得させてしまう、間口の広さが中毒になってきた。
ほかのチームの単独ライブにゲスト出演して、誰より目立ってしまうcalinをはじめ、普通にやれば、とんでもなくすごいのに、普通でいられない姿がかっこよかった。
ROUND.8の数日前、訃報が飛び込んできた。メンバーのGOさんが、海外の滞在先で不慮の事故に遭い亡くなった。
いつも笑顔のメンバーが、どんな思いで、どんな表情でステージに上がるのか。
チームの行末よりも気になった。
BLOCK VIBEの前日、HYPEのハーフタイム、各チームのメンバーの代表者があいさつをする。アルトリの代表者はCHIHIROだった。
涙が止まらないのに、チームの終了もGOさんの死も、具体的な言葉は避けて、ファンに、懸命に笑みを浮かべて願った。
「明日、入場のアンセムを一緒に歌ってくれませんか。5年間変わらなかった曲を、大きな声で歌って下さい」。
作品以外のところで、ジャッジに影響するような発言を避けたのは、対戦相手のKADOKAWA DREAMSの配慮だったと思う。
一夜明けて、KDの衣装がアルトリカラーでデザインされていた。リーグの功労者に贈る最大のリスペクトだった。
そして、アルトリは笑顔で踊り、演じきった。「FOREVER」の文字とともに、勝利を手にした。
最後のエースを任されたcalinがマイクを握った。
「応援してくれたファンの皆さん、一緒にアルトリを支えてくれたクリエイティブチームの皆さん、そして仲間たち、そしてGOさん…。何でここにいないんだろうって、こんなことがあるなんて想像もしていなかったけれど、私たちはダンスがあるからつながれたし、笑顔で今もこうやって踊り続けられる、これからもずっと踊りでつながっていられると思うので、みなさん1分1秒を大切に、隣の人に大好きだよ、ありがとうって伝えてながら、これからもダンスを好きでいてください! 5年間本当にありがとうございました!」
笑いながら泣いていた。メンバーの口からGOさんの名前が聞かれたのは、亡くなってから初めてだった。
ラウンドの最後に、株式会社LIFULLの後継企業として、アンカージャパン社がリーグに参加することが発表された。会場から拍手が沸き起こった。「後継企業」という表現だから、アルトリはチームとして存続する。そう解釈したのだと思う。
終演後、勝利チームの代表者による会見に、calinが参加した。
作品の裏話として、今回の作品のエースは当初、別のメンバーだったことが明かされた。最後の作品だから、本当は自分が務めたかったのを、ぐっとこらえて、仕上げていったところ、数日前になって、プロデューサーの永井直也から、エース変更を打診されたという。
「ずっと一緒だから、なんで私じゃなかったのかも、あらためて私を指名したのかも分かるんですよ」といつものように笑顔で話した。
会見を終え、終演後の「お見送り」に向かう通路で、歩きながらcalinに聞いた。会見はほかのチームの代表者も一緒なので聞きにくかったから…。
後継企業が発表されて、ファンも喜んでいましたが、calinさんはこれからどうするんですか?
「そうですよねえ、アハハ。私の中では決めていることがあるんですよ。でもね、いろいろありすぎちゃって……。分かってくれてますよね。ありがとうございます。これからも、踊り続けるのは、当然!踊りますよ」
それから3日後、4月27日付で、アンカー・ジャパン社がオーナーとして運営するチーム名が「Anker XEED」と発表された。
アルトリの名前は正式に消えた。
calinをはじめメンバーがXEEDに参加するのかなど詳細はまだ分からない。
分かっているのは、アルトリの愉快な仲間たちは、どこにステージを移しても踊り続けることだけ。笑顔で、ぶれることなく。【久我悟】
【BLOCK VIBEの結果】(数字はパーセント)
1st Match:KADOKAWA DREAMS〔41.7-58.3〕LIFULL ALT-RHYTHM
2nd Match:SEGA SAMMY LUX〔46.8-53.2〕M&A SOUKEN QUANTS
3th Match:CHANGE RAPTUES〔52.2-47.8〕ValuenceINFINITIES
4th Match:DYM MESSENGERZ〔45.2-54.8〕FULLCAST RAISERZ
MVD:Valuence INFINITIES/TSUKKI
順位=CSP スコア
1位 FULLCAST RAISERZ=19 419.5
2位 DYM MESSENGERS=19 388.4
3位 KADOKAWA DREAMS=18 390.4
4位 CHANGERAPTURES=12 343.7
5位 LIFULL ALT-RHYTHM=10 343.6
6位 SEGA SAMMY LUX=8 333.2
7位 Valuence INFINITIES=7 313.45
8位 M&A SOUKEN QUANTS=3 267.56





