落語協会(柳亭市馬会長)所属の3人が真打ちに昇進する。金原亭馬生門下の三木男あらため5代目桂三木助(33)、柳亭燕路門下の柳亭こみち(年齢非公表)、古今亭志ん橋門下の志ん八あらため2代目古今亭志ん五(42)で、先日、都内で会見と昇進披露宴が行われた。
新三木助は「芝浜」などを得意とし、名人と言われた3代目の祖父、タレントとしても活動し、01年に自殺した4代目の叔父の名跡を5代目として継承する。新三木助は「襲名することはうれしい反面、自分が継いでいいのか悩んだ」と明かす。もともと落語に興味はなかったが、叔父の自殺をきっかけに「落語を聞き始めた。急がずに1歩1歩進んでいきたい。祖父、叔父の名に恥じぬよう、新しい三木助を作りたい」。
こみちは漫才の宮田昇(40)と結婚し、13年と15年に出産。2人の幼い子どもの子育てしながらの昇進披露興行となる。「子育てしながら高座に上がるのは大変だけど、走り続けたい。子どもから教えられることもいっぱいあって、日々努力して高座に生かしたい」。出産の1週間前まで高座に上がり、産んだ3週間後には復帰した頑張り屋で、日本舞踊吾妻流の名取でもある。「歌って踊ることが好き。歌と踊りを取り入れた高座をしていきたい」。
新志ん五は、28歳で先代古今亭志ん五に弟子入りしたが、7年前に志ん五が亡くなり、志ん橋門下に移った。「先代の七回忌が終わったばかりで、自分が継いでいいのかと思ったが、師匠が『大した名前じゃないから大丈夫』と言ってくれた」。入門前にトラックの運転手、介護ヘルパーなどもしていた。「新作をやりながら、古今亭の噺もやっていきたい。よく『面白い顔をしているね』と言われる。顔も武器にしたい」。
師匠も同席し、馬生は「3代目の奥方、(新三木助の)おばあさんが存命中に名乗らせたかった」と襲名を勧めた経緯を話した。燕路は「14年前に入門した時、名前を師匠(柳家小三治)に頼んだら、『名前をつけることが師匠の始まり』と言われた。小三治の『こ』と、燕路の『路(みち)』からこみちにした」。志ん橋は「先代の名前を継いだのも縁。七回忌が終わった時に、真打ち昇進でタイミングも良かった。ついている男だね」と話した。
披露宴にはこみちの母校である早大の応援団が余興として登場。新三木助はグリンピースが嫌いで、チャーハンのグリンピースを入念により分けることや、新志ん五が熟女好きで、女性落語家三遊亭歌る多の大ファンであることが紹介され、会場に爆笑が広がった。昇進披露興行は9月下席の上野・鈴本演芸場を皮切りに、50日間続く。【林尚之】



