ありそうでなかった映画だ。とある高校の地下室。それぞれ“問題”を抱えた4人の生徒が、居残りで片付けをさせられている。棚にあった古いゲームのスイッチを入れ、キャラクターを選択すると、画面の中に吸い込まれてしまった! 容姿も能力も、選んだキャラクターに変身し、ライフは3つ。仲間と協力してジャングルをくぐり抜け、元いた世界に戻れ-。単純だけど、コメディー色の強い脚本&迫力の映像に、ビックリするほどゾクゾクした。

 といっても、ただの冒険ゲームではない。バラバラだった高校生たちは、ゲームを通して、仲間と協力することの大切さを学ぶ。バカにしあっていたガリ勉と美女。宿題のノートを提供するだけだった、うわべだけの友人。互いに言い出せなかった、秘めた恋心。国境を超えた“高校生あるある”に胸がキュンとするし、ラストシーンの爽快感はたまらない。

 誰もが1度は想像したであろう「ゲームの世界」。2時間のアトラクションに乗っているような気分になった。一部劇場では、MX4D、4DX版もあるそう。技術を駆使したド迫力の映像体験は、ぜひスクリーンで。【杉山理紗】

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