和久井健氏の原作コミックは、タイムリープの能力に目覚めた主人公(北村匠海)が、中学時代へタイムスリップして、かつての恋人(今田美桜)が殺害される運命を変えようと奮闘する物語だ。時空を超え、謎解き要素を色濃く織り込んだところに、他のヤンキー作品とはひと味違った魅力がある。

実写映画第3作の今回は、その運命を決定づける暴走族同士の一大抗争にスポットが当たる。「映像研には手を出すな!」の英勉監督は、主人公以上にクセの強い周囲の不良キャラを端的に映し、彼らの思惑によって複雑に絡み合った「運命の糸」を見えやすくする。セットも凝っている。決戦場の廃車置き場の質感がクライマックスを盛り上げる。不安定な山積み車上の格闘は、アングルにこだわってヒリヒリする迫力だ。

吉沢亮、村上虹郎、高杉真宙、眞栄田郷敦…文字通り主演級の一線俳優たちが、競って原作キャラクターに寄せ、その喜々とした成り切りぶりも楽しい。

北村と吉沢には3作通した「熱」を感じるが、今作では明快キャラも手伝って一本気なドラケン役の山田裕貴と策略家キサキ役の間宮祥太朗が印象に残った。【相原斎】

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