高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁を巡り、中国外務省が日本への渡航自粛を呼びかけた影響で、大阪府内のホテルではキャンセルが続出しています。とりわけ大阪・ミナミの道頓堀周辺では、中国からの団体客に依存しているホテルほど大打撃を受けています。中国団体客に依存しないホテルとは明暗が分かれているようです。

先日、行われた大阪観光局の定例会見。溝畑宏理事長は大阪の約20社のホテルに聞き取りした調査結果を公表しました。12月末までに予約が入っている中国人客数の50~70%分がキャンセルになっていました。

担当者は調査データについて「とくに難波エリアにある中国客に依存するホテルでは経営的に大きなダメージが出ている」と説明しました。

一方で溝畑氏は「依存していないところはキャンセルを新規で補っている。あまり影響を受けていない」とデータを分析。中国以外の他諸国からの個人・団体の宿泊が多いホテルは、キャンセルの出た宿泊を“新規客”で埋めることができているといいます。

かつて観光庁長官を務めた溝畑氏は「リーマン・ショック、東日本大震災、尖閣諸島問題のときは長官をやっていた」と振り返り、今後の日中関係の影響について「予断を許さない」と表情を引き締めます。一方で日中関係が緊迫する中でも観光、文化、スポーツなどの民間交流は引き続き行うべきという認識を示し、こう語りました。

「大阪のインバウンド戦略は欧米や東南アジアなど幅広い地域からバランス良く集客すること。中国人観光客が減少した場合でも、他の市場でカバーし、目標とするインバウンド客2030年に2000万人達成に向けて1歩1歩前進したい」

「中国リスク」を前向きにとらえ、海外からの集客戦略の練り直しを視野に入れています。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)