とにかく女性に優しい。例えば、仕事関係の会食。男女複数が席に着こうとすると、ほぼ決まって自分の近くに女性が座るように声を掛ける。ニコニコしながら「俺は女性が大好きだから」とあえて口にして、なごやかな雰囲気を作る。初対面の女性でも、そんな言葉を堂々と聞かされると、緊張も解けて、思わず笑顔になる。

その後も、遠慮せず、どんどん話し掛ける。飲み物は何がいいか、苦手な食材はないか。相手に緊張する間(ま)を与えない。あっという間に距離が縮まり、会食終盤には、名字ではなく名前で呼ぶようになっていることもある。

自分の周りにいる女性には、常に楽しい気持ちでいて欲しい。そうなれば自分も楽しい。それでいいじゃない。シンプルな発想だ。纏うオーラで緊張させてしまわないように「俺は女性が大好き」という魔法の言葉を掛け、心をたちまちオープンにさせてしまう。これが舘ひろしのダンディズムだ。【松田秀彦】