新人公演「MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-」は3年目の舞空瞳が初ヒロインに抜てきされた。宝塚は31日、東京は9月20日。

 隠れキリシタンを描いた斬新なミュージカル。新人公演ヒロインを演じる舞空瞳。3年目で初ヒロインに抜てきされ「尊敬する(本役のトップ娘役)仙名(彩世)さんのお役をさせていただく。身を引き締めていかなきゃという思いでいっぱいです」と話す。

 昨秋、明日海主演の東京公演「ハンナのお花屋さん」で、主要のハンナ役。今年の「ポーの一族」新人公演では、主人公の妹メリーベルに登用された。

 「だんだん、通しのお役をいただくようになり、役を作っていくのが楽しくも、難しくもあったので、今回も、無駄にせず勉強したい」

 芝居でのたたずまいを学び、前作は、花組きってのダンサー水美舞斗(みなみ・まいと)主演の宝塚バウホール公演に出演した。

 「素晴らしいダンサーの水美舞斗さんと組ませていただき、踊りで心情を表現することと、ダンスでの娘役のあり方を学びました」

 今回、稽古場で仙名の役作りを追うとともに、島原の乱が起こった時代の人々の暮らし、日本の貿易事情までを調べ、映画も見た。

 「もともと日本史が大好き。江戸時代を調べることは、趣味でもあって、楽しいです。一番好きなのは幕末で、坂本龍馬さんです」

 父が歴史好きで、坂本龍馬の本が多くあった。

 「今回、再び『歴女』のドアを開けられた気がして(笑い)。天草四郎の時代も、年貢の取り立てが厳しくて限界で生きている。どん底でもきっとマリア様が助けてくださるからって、人を強くするエネルギーがあった。小さな幸せが生きる希望だった」

 趣味を生かして、役柄の芯を固める。ダンスを習い始めて、宝塚に興味を持った。元花組トップ蘭寿とむにあこがれ、同じ世界へ。

 「花組を数多く拝見していたので、組配属になる前から、花組(配属)じゃないかと信じて、待っていました。男役さんの近くでダンスがかれんに踊れて、そして、1人でも輝けるような娘役になりたいです」

 ☆舞空瞳(まいそら・ひとみ)8月27日、横浜市生まれ。花組に配属。幼い頃からダンスを習う。16年、首席入団。昨年10月の東京公演「ハンナのお花屋さん」、今年1月の「ポーの一族」新人公演ともに主要キャストに抜てき。身長164センチ。愛称「ひっとん」。