殺陣を軸にしたコント、大阪名物ハリセンチョップなどで人気を博した「チャンバラトリオ」のリーダー山根伸介さん(本名・山根利雄=やまね・としお)が今月14日に、肝臓がんのため、京都市内の病院で亡くなっていたことが21日、分かった。78歳だった。

 山根さんは故南方英二さんらと63年にグループ結成。リーダーとして引っ張ったが、今年5月、よしもと祇園花月でグループの解散を発表していた。葬儀・告別式は17日に密葬として営まれており、この日、所属の吉本興業が発表した。

 山根さんは00年代半ば以降、脳出血で倒れるなどしたが、その都度、舞台復帰。11年には肝臓がんが判明し、一時は危険な状態だったが、奇跡的に復活。今年5月、病院を抜け出し、再びステージに上がっていた。

 「本日をもちまして、皆さまの前に姿を見せることはないと思います。ここでチャンバラトリオに幕を下ろさせていただくことになりました」

 別れを告げる言葉の内容とは裏腹に、しっかりした口調で、舞台からは退いても、後進の指導は続けることを表明していた。

 故郷でもある祗園花月で見せた最後の勇姿。その場を設けた弟子の宮川花子は、すべてを終えた楽屋裏で「ちょっとだけ親孝行ができたかもしれんわ」と言い、涙していた。