女優吉永小百合(72)の120本目の映画「北の桜守」(滝田洋二郎監督、3月10日公開)完成披露会見が4日、都内で行われた。

 59年の「朝を呼ぶ口笛」で映画デビューした吉永は、会見の冒頭で「59年前に初めて映画に出て以来、120本目になりました。よく、ここまでやってこられたという気持ちでホッとしております。キャスト、スタッフに支えられ、大変な撮影を乗り越えられたと感謝しております」とあいさつした。

 質疑応答で、作品の手応えについて聞かれると「台本を読んだ時は、とても難しい役だと思っていましたけれど、滝田監督の現場は楽しくて、監督はせっかちでいらっしゃって『さぁ(カメラを)回していこう』と…気持ちが乗ってきて、楽しかった。ホッとした気持ち、幸せな気持ち…半々でございます」と笑みを浮かべた。

 篠原涼子(44)から「スポーツ選手ばりのアスリートぶり。ずっと動いていらっしゃる、ビックリしました。運動をずっとされているようで、触発されて今年、やろうと思っています」と言われると、吉永は「出来れば篠原さんと泳ぎたい」と笑みを浮かべた。

 吉永は、今年の抱負を聞かれると「非常に宵っぱりの朝寝坊。撮影以外の時は、ダラダラしている生活習慣を改めて年齢なりの生活リズムを作らなければと思っています」と苦笑した。

 劇中で吉永演じる主人公の息子を演じた堺雅人(44)は、吉永の意外な一面について聞かれ「後輩が言わせていただくもなんですが、どんなカットでも全力で、ひたむき。(自分は)44歳ですが、一生懸命さが足りないと反省しました。すてきな先輩です」と尊敬の念を口にした。

 岸部一徳(70)は、吉永がMCを務めるTBSラジオ「今晩は 吉永小百合です」(日曜午後10時半)の17年7月16日放送分に出演し、吉永と対談した時のことを振り返り「一般的に、吉永さんはスターだと思っていたところもあるんですけど、現場では(演じる)役の人としか見えない。俳優は、そうあるべきだと思います。ラジオの番組で一緒にお話しさせていただきましたが、延々としゃべっていても楽しい…そこが僕にとっては意外な一面。一緒に仕事したら、ファンになってしまうんだろうなと思います」と笑みを浮かべた。

 「北の桜守」は、「北の零年」(行定勲監督、06年)、「北のカナリアたち」(阪本順治監督、12年)に続く「北の3部作」の最終章にあたる。「おくりびと」を手がけた滝田洋二郎監督が、戦中から戦後にかけて極寒の北海道で懸命に生き抜いた母と子の約30年の物語を描いた。【村上幸将】