乃木坂46が24日、横浜アリーナで、23枚目シングル「Sing Out!」(5月29日発売)リリース記念アンダーライブを開催した。シングル表題曲を披露せず、カップリング曲やアルバム曲だけで構成した異例のライブ。12人のパフォーマンスで1万5000人を熱狂させ、卒業を発表している斉藤優里(25)や伊藤かりん(25)が涙する場面もあった。

冒頭、「Sing Out!」収録曲でアンダー最新曲の「滑走路」を披露。センターの寺田蘭世(20)が「横アリ、行くぞ~!」と叫ぶと、大歓声を浴びた。中田花奈(24)が「横浜アリーナに、アンダーライブが来ちゃいました!と叫び、樋口日奈(21)は「今日は、乃木坂史上最高のライブにして、2日目、3日目にいいバトンをつないでいきたいなと思います」と意気込んだ。

14年2月に開催された乃木坂46のデビュー2周年バースデーライブに来ていたという向井葉月(19)は「その時に大好きだった乃木坂になれて、乃木坂としてライブができているので、みんなから憧れられるようなすてきなライブがしたいなって思います」と笑顔を見せた。中田は「うれしいね。今日も、これから乃木坂になる方がいるかもしれないね」と話した。

続いて、卒業を発表している斉藤と伊藤が登場。伊藤「うちら2人、出る前からもう号泣でした」と明かして、笑いを誘った。センター曲「13日の金曜日」を迎えると、斉藤は「横浜アリーナの皆さん…」と声を詰まらせ、涙した。伊藤純奈(20)や伊藤かりんから肩を寄せられ、励まされた。伊藤純奈と「釣り堀」をデュエットした伊藤かりんも涙し、歌い終えると2人で泣いて抱き合った。伊藤純奈は「いつもかりんとやっていたんだけど、今日が最後だったじゃん。ちゃんと支えてあげようと思ったんだけど、(涙で)全然歌えなくて」と明かした。

本編ラストで、センターの寺田は「今日このライブをやって、今までのことは無駄じゃなかったんだなって思うことができました。言葉が強いって言われるかもしれないですけど、すごく簡単に表すと、私は生まれ変わっても、また乃木坂46として活動したいし、寺田蘭世として生きたいって思います。そう思えるくらい、みんなも、ファンの方々も、誇りです」と感謝した。「とにかく、みんなのことが、すごくすごく大好きです!」と言い、拍手を浴びた。

アンコール1曲目の「生まれたままで」の冒頭では、寺田が唐突に「put your hands up!」(プチョヘンザ)と呼びかけ、メンバーたちも笑顔になった。パフォーマンス後、斉藤優里があいさつした。26日に同所で開催される選抜ライブにも参加するため、「23枚目のシングルに参加していないのにもかかわらず2公演出させていただくのはめちゃくちゃありがたい。アンダーライブ最高だなって思ったのが、「蘭世が『生まれたままで』の時に『put your hands up』って。この自由な感じがアンダーライブのいいところだなって思いました」と笑った。

斉藤は「アンダーライブって不思議パワーがあるんだなって思いました。本当に大好きです。メンバーも好きだし、ファンの皆さんも好きだし、衣装さんもメークさんも好きだし…」と涙ぐむと、「やばい、情緒不安定!」と言って笑わせた。「めっちゃみんなこのことが大好きで。誇りに思います。皆さん今日は足を運んでいただき、ありがとうございました」とあいさつし、大歓声を浴びた。

続いて、この日がラストライブになる伊藤かりんが「乃木坂に入る前から大好きだったメンバーのセンター曲です」と前振りし、加入前から大ファンだった高山一実(25)がセンターを務める「泣いたっていいじゃないか」を披露。「真ん中で囲まれて歌うのは寂しかったけど、歌えてよかったです。ありがとうございます」と笑った。

伊藤かりんは手紙を取り出し、家族やメンバー、スタッフ、ファンへの感謝を述べた。後輩の3期生には「できあがっているグループに入るのは大変だったよね」と気遣い、先輩の1期生に対しては「あと10年はメンバーとして頑張ってください」とリクエスト。同期の2期生に向けては「14人いた2期生が9人になるけど、まだまだしぶとそうな子が残っているから、これからもたくさん応援しています」とエールを送った。

13年3月に加入。シングルの選抜メンバーに入った経験はないが、「アンダーライブが大好きだから、何の悔いもないし、自分をかわいそうだとも思いません」と言い切った。「私はアイドルというお仕事が大好きだったから、地元でこうして最後のライブができて幸せです。約6年間応援してくださり、ありがとうございました。そして、これからは一緒に乃木坂46を応援しましょう!」と呼びかけ、大歓声を浴びた。

ラストはダブルアンコールで「僕だけの光」を披露。マイクを通さずに地声で「皆さん本当に、ありがとうございました!」と全員であいさつした。伊藤かりんは「アンダーライブ最高ー! ありがとうございました」と言い、笑顔でステージから去った。【横山慧】