女優上野樹里(33)主演のフジテレビ系連続ドラマ「監察医 朝顔」(月曜午後9時)の第5話が12日、放送される。

万木朝顔(上野)は神奈川県にある興雲大学に勤める新米法医学者。横浜・野毛山署のベテラン刑事の父・平(時任三郎=61)と平穏に2人で暮らしていた。そこに11年3月11日に東日本大震災に巻き込まれた、母の里子(石田ひかり=47)の姿はない。里子は東北の海沿いにある実家に帰省していて被災、遺体は見つかっていなかった。

時任は「東日本大震災をバックボーンにしたキャラクターということで、どうしても想像でしかない部分があるわけです。その想像の部分を、どれだけリアリティーを持って演じていけるか、ということについては意識しました。でも、難しいですね。簡単に理解できるようなことではありませんから。そういう経験をされた方にしか感じることができないことだってたくさんあるでしょうし」と話している。

上野とは11年のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」で共演している。時任が浅井長政、上野がその三女・江を演じたが、江が長じる前に長政が死んで、実質的な共演は初めてとなる。「彼女は、子どもっぽい部分ととても大人っぽい部分、芯の強さとか華やかさが混在しているんですけど、でもとてもバランス感覚が優れている女優さんだと感じました。撮影中、鼻がグズグズしたときがあったんですけど、そのときにサッとティッシュを差し出してくれたんです。ポケットからね(笑い)。そういうさりげない気遣いもできる女性だから、きっと周りのこともよく見えているんじゃないかなという気がしました」と話している。

第5話では、心霊スポットとして知られる場所で、白骨化した遺体が発見される。死後1年半から2年ほど経過していると思われたが、動物に荒らされたためか、いくつもの部位がなかった。また、骨には着衣の一部と思われるボロボロになった白い布がひっかかっていた。

遺体は、朝顔(上野)たちの興雲大学法医学教室に運ばれる。骨だけでは死因の特定は難しいと、平(時任三郎)たちに告げる法医学者の藤堂雅史(板尾創路)。身元を特定するためには、法歯学者の絵美(平岩紙)の力が必要だった。

解剖台に乗せられた遺体を観察した朝顔は、現場から持ち込まれた骨がひとり分ではなく、小さな骨が混ざっていることに気づく。そこで朝顔は、絵美が歯を調べている間に、医学部生の安岡光子(志田未来)や検査技師の高橋涼介(中尾明慶)、検視官の伊東純(三宅弘城)らとともに、骨の汚れを落とし、どの部位がなくなっているのかを調べ始める。

一方、遺体の第一発見者となった若者たちから事情を聴いていた野毛山署の刑事・桑原真也(風間俊介)は、彼らが1年半ほど前に動画サイトに投稿された映像を見て現場を訪れていたことを知る。その動画には、白い服を着た男が映っていた。野毛山署強行犯係係長の山倉伸彦(戸次重幸)は、行方不明者の照合と現場周辺の捜索を命じる。

そんな中、朝顔は、左腓骨(ひこつ)と左脛骨が剥離骨折していることに気づく。