米俳優マット・デイモン(48)が、2009年に爆発的な大ヒットとなった映画「アバター」の主演オファーを断り、日本円にしておよそ250億円のギャラもフイにしたことを米誌で告白した。

デイモンは当時、ジェームズ・キャメロン監督から主演を打診されたことを米GQ誌11月号のインタビューで明かし、「監督は言ったんだ。“この作品に有名俳優はいらない。君が受けないなら、無名の俳優を探す。この映画に、どうしても君が必要なわけじゃないんだ。だが、もし引き受けてくれるなら、収益の10%を君にやるよ”とね」と振り返った。

友人で俳優のジョン・クラシンスキーにこの話をすると、「あの作品をやっていたとしても、君の人生は今と変わっていないだろうね」と言われたことにも触れ、「ハリウッドで最もリッチな俳優になっていただろうってこと以外はね」と語った。

「アバター」を断った理由は、デイモンの看板シリーズとなっているアクション・スリラー映画「ジェイソン・ボーン」シリーズへのコミットメントだった。デイモンは、「“ボーン・アルティメイタム(2007年)”のポール・グリーングラス監督やスタッフの皆に迷惑をかけることになる。だから、できなかった」と説明した。

キャメロン監督はこれまでに、大ヒット作「タイタニック」を含む計6作品しか世に送り出していない。デイモンは、「監督と仕事をする、またとないチャンスを逃したことが、今でも大きな心残り。でも、子供たちを養っていけてるので、僕は大丈夫さ」と笑った。

3D映像による劇場公開が話題となった「アバター」の世界興行収入は、日本円で約2518億円を記録。2019年公開の「アベンジャーズ/エンドゲーム」に抜かれるまで、歴代1位だった。(ニューヨーク=鹿目直子)