デビュー10周年を迎えた歌手・城南海(29=きずき・みなみ)が大阪市内で日刊スポーツの取材に応え、10月16日に配信リリースした自身13作目シングル「ONE」をPRした。ドラマ「特命刑事カクホの女2」(毎週金曜20時、テレビ東京系)の主題歌で、楽曲はこのドラマのために書き下ろされたという。劇中で名取裕子と麻生祐未がタッグを組み事件に臨むが、「楽曲も女性同士の友情を描いています。『最高の友はあなただけでいい』という気持ちを込めました」。

城のシングルとしては、初の英語タイトルとなり、「私自身にとっても新しい挑戦」と語る。デビュー以来、どちらかというと、(故郷である)奄美の自然など神々しい抽象的な世界観を歌って来ましたが、新曲では今までにないロック感がある曲に、ストレートな歌詞にパーソナルで生々しい感情を表現しました」と解説。これまでの奄美民謡「シマ唄」をルーツに持つ豊かな表現に、新たな一面が加わった印象を受ける。

記念イヤーの今年は、10周年ツアーの他に、洋楽のカバー曲だけを歌う「ウラアシビ」ツアーや、親交のある4人組女性カルテット「1966カルテット」と念願のセッションで「クラシックバージョン」のコンサートも開催した。「初めてピアノカルテットとのツアーで、5人で作り上げました。彼女たちは編曲も行ってくれて、私のオリジナル曲も、こんなに変化するんだと。本当に楽しかった」と目を輝かす。「そういう意味ではいろいろな挑戦をした10周年イヤーでした。長かった髪も30センチくらいバッサリ切りました。これも新しい挑戦ですね」。

今後の抱負について「これからもファンの皆さんに喜んでいただけるような新しい挑戦を続けたいです。あと、ちょっと大人になりたいかな。自分の言葉で話せるようになりたい」。随所で自分らしさを口にする城は、変化を厭わない。彼女の音楽の世界も広がっていく予感がした。

11月には「ウタアシビ」(=唄遊びの意味)と題した10周年記念ツアーを行う。8日の東京・Bunkamuraオーチャードホールを皮切りに、全国6都市を巡る。詳細は公式サイト(http://www.kizukiminami.com/)を参照。