TBS系「渡る世間は鬼ばかり」を手がける石井ふく子プロデューサー(93)が29日、都内で日刊スポーツの取材に応じ、24日に膵臓(すいぞう)がんで亡くなった女優八千草薫さん(享年88)への思いを語った。

78年「妻の座」、94年のドラマ「女の言い分」や舞台「かあちゃん」などで一緒に仕事をした石井氏は「どんどんすてきな方がいなくなって寂しくなります」と切り出すと「誰も代わりができない方。舞台では幽霊役も明るくさわやかに演じてくれていました。優しくて、でも優しさだけでなく、心があるから皆さんも納得するんだと思います」と思い出を語った。

また「無理にやるのではなく、自分のやりたいこと(作品)をやるから長続きしたのだと思います。現代までずっと現役でやっていたのは素晴らしいこと。何となく、そこはかとなく色気があって、明るくて。もったいないな。もうちょっといて欲しい方でした」と語った。

最後に会ったのは約2年前だというが、訃報に触れた時は「え、違うんじゃない」と思わず言ってしまうほど信じられなかったという。最後は「もう1回、お目にかかって、なごやかにニコッと笑ってもらいたいです」と語った。