ザ・ドリフターズのメンバーでタレントの志村けんさん(本名・志村康徳=しむら・やすのり)がコロナウイルスによる肺炎のため亡くなったことが30日、分かった。29日午後11時10分、都内の病院で死去した。70歳。死因は新型コロナウイルスによる肺炎。葬儀は親族のみで行う。今後親族と相談しながらお別れの会をとりおこなうか検討する。

志村さんは3月23日に新型コロナウイルス検査で陽性と判明、都内の病院に入院していた。所属事務所のイザワオフィスは同25日に報道各社に文書で発表していた。関係者によると、志村さんは今年1月に定期健診で胃のポリープが発見され摘出手術のために6日ほど入院していた。一方で、「基本的に通院するような持病もなく体調は良かった」という。

志村さんは1974年、ザ・ドリフターズに荒井注さんの脱退を機に加入。TBS系「8時だョ!全員集合」の「少年少女合唱隊」のコーナーで地元の「東村山音頭」を歌ったことでブレーク。加藤茶(77)とのコンビの「ヒゲダンス」、「カラスの勝手でしょ」、「志村、後ろ!」が大流行し、社会現象にもなった。さらに、「バカ殿様」は86年からフジテレビ系で特番化され現在まで続く名物番組となった。

85年に「全員集合」が終了後、加藤と「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」、87年からはフジテレビ系「志村けんのだいじょうぶだぁ」がスタートするなど、日本のお笑い界の代表的な存在となった。

私生活では独身を貫く一方で、プレイボーイとして、たびたび週刊誌などをにぎわせた。

◆志村けん(しむら・けん)本名・志村康徳 1950年(昭25)2月20日、東京・東村山市生まれ。ザ・ドリフターズの付き人を経て、74年、正式メンバーに。TBS系「8時だヨ!全員集合」で「東村山音頭」のギャグでブレーク。加藤茶との「ひげダンス」、「カラスの勝手でしょ」「アイーン」など次々にギャグを生む。主なキャラクターは「バカ殿様」「変なおじさん」「ひとみばあさん」など。166センチ、血液型A。

◆ザ・ドリフターズ 64年にいかりや長介さん(04年死去)をリーダーにしたコミックバンドとして誕生。他のメンバーは加藤茶、荒井注さん(00年死去)、高木ブー、仲本工事。66年にザ・ビートルズの日本武道館公演の前座を務めた。74年に荒井さんが抜けて志村けんが加入。69年にTBS系「8時だヨ!全員集合」が放送開始。77年にフジテレビ系「ドリフの大爆笑」がスタートし、コントグループとしても国民的人気となった。70年に「ドリフのズンドコ節」がミリオンヒット。ほかに「いい湯だな」「ミヨちゃん」「誰かさんと誰かさん」などの代表曲がある。