阪急阪神ホテルズ(大阪市北区)は、6月21日に兵庫・宝塚大劇場の西隣へ「宝塚ホテル」を移転オープンさせる。10日、開業式典を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で、当初予定の5月14日から6月21日へ開業を延期していた。

同ホテルの支配人には、元月組組長で、18年に退団した憧花(とうか)ゆりのさんが就任している。

阪急・宝塚南口駅前にあった大正生まれの旧館は3月末に閉められ、新館は大劇場の隣へ“お引っ越し”。アーチ付き天井の回廊、階段の手すり…かつての装飾が復元され、緞帳(どんちょう)やシャンデリアも移設され、劇場からの「夢のつづき」をコンセプトにする。同ホテルは、宝塚歌劇の持つ華やかさと、劇団出身の憧花さんが「ホテルの顔にふさわしい」として、決めたという。

憧花さんは00年入団の86期生。月組の実力派娘役として、12年「ロミオ&ジュリエット」でキャピュレット夫人、13年「ミー&マイ ガール」では公爵夫人を好演。15年「1789-バスティーユの恋人たち-」では、エトワールも務めた。16年から月組組長を務め、18年「エリザベート-愛と死の輪舞-」で皇太后ゾフィーを演じ、退団した。

支配人就任にあたっては、同ホテルを通じ「生まれ変わる宝塚ホテルのコンセプトは『夢のつづき』でございます。宝塚歌劇の舞台に立ち続けるにあたって大切にしましたことは、夢の世界をお客様にお届けすることでございました」とコメント。「夢の世界をご覧になったお客様が、劇場を出た後も、その世界観を失うことなく過ごしていただける空間をお届けすることが、私の役目だと思っております」と約束した。

宝塚のOGとしては東京・レム日比谷の支配人に就任例がある。

また、異色な転身では、元雪組トップたかね吹々己(旧・高嶺ふぶき)さんが、5月に芸能界を引退し、今秋に山口に新装開店する旅館のおかみに就くことが決まっている。