宝塚歌劇団は4日、2日から兵庫・宝塚大劇場で上演を取りやめている花組公演「はいからさんが通る」について、出演者3人、スタッフ1人が新型コロナウイルスに感染したとして、16日までの上演中止を発表した。タカラジェンヌの感染判明は初めて。

劇団によると、2日に出演者1人が味覚異常を訴えるなどし、花組公演出演者73人及びスタッフ164人のPCR検査を4日まで実施。吐き気を訴えていた生徒ら出演者計3人の陽性がこの日、確認された。また、7月29日夜にスタッフが37・5度の発熱で医療機関を受診。風邪と診断され自宅療養もPCR検査で陽性が判明した。スタッフは観客と接する業務ではない。

出演者、スタッフ含め計4人の陽性が判明したが、劇団は、重症者はいないといい「現在療養に努めています」。これまで141人の陰性は確認されており、残る96人の結果はまだだが、体調不良を訴える者はいないという。

宝塚は、7月17日の宝塚大劇場花組公演で約4カ月ぶりに再開も、体調不良者の判明で4日まで上演中止となっていた。17日以降の再開については施設消毒などを行い「保健所の指示に従う」としている。

集団で芝居、ショーを上演する劇団では、公演再開にあたり、稽古段階から「密」を避け、まずは少人数での稽古から再開。稽古が本格化すると、宝塚大劇場の舞台やロビーを使うなど、最善を尽くしてきた。

感染予防対策としても、出演者やスタッフ、劇場従業員全員に毎日の検温を義務づけてきたが、無念の上演取りやめに。劇団は「公演のご観劇を心待ちにしておらてたお客様には、たいへんなご心配、ご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」と謝意を示した。

今後については「保健所のご指導を仰ぎながら、濃厚接触者の調査や宝塚大劇場施設内の消毒など、必要な措置を行うとともに、お客様の安心、安全を最優先に考え、新型コロナウイルスの感染拡大を抑止するために必要な対応を行ってまいります」と、万全を期しての公演再開も約束した。

4日に予定されていた新人最終学年7年目の一之瀬航季が主演する新人公演については、代替上演が検討されている。

また、東京宝塚劇場の星組公演、大阪・梅田芸術劇場の宙組公演は予定通り上演される。