大沢たかお(52)が18日、都内で行われた舞台「INSPIRE 陰陽師」(12月31日開幕、東京・日生劇場)合同取材会に参加した。

大沢はコロナ禍の中、12月31日から21年1月2~6日まで上演される舞台について「こんな時期なので、何か役者が普通にせりふを言っても、面白くないんじゃないか。もっともっと、何か違うエネルギーのものをステージの上で出来ないかというイメージがある。安倍晴明のエネルギー借りて、さらに僕らの思いを吹き込んだら、昭和とも平成とも違い新しいライブが出来るかな、というのがベースのイメージ」と力を込めた。そして「今まで経験したことのないような年の瀬と年の始まりを、何か感じられて、21年に明るく光が差してもらいたい」と意気込みを示した。

大沢は劇中で陰陽師(おんみょうじ)安倍晴明を演じる。今回の舞台は、約2年前から企画があったという。大沢は安倍晴明という役どころについて「キャラクターというか、その存在とか興味があった。それまでもテレビ、映画とかお声がけいただく機会はあったが、その時の自分とは合っていなかった。2年くらい前から、そろそろ自分の中で、やりたいな。頑張ることが出来る時かな」と、話を受けた思いを語った。

今回の舞台で、安倍晴明は京の都に続く謎の日食をはらうべく立ち上がった存在として描かれる。晴明は平安時代から1000年の時を経て、再び謎の長期日食に襲われ、闇に包まれてしまう危機に陥った令和の時代に再び現れるという役どころだ。まさに、コロナ禍に見舞われた現代と、重なるストーリーだ。

大沢は、コロナ禍の今について「もちろん、今、生きている人が初めて経験するような大きな出来事。とはいえ、作品のテーマになっているとは思うけれど、どう捉えるか人によって違う。全てがマイナスかというと…そうではなくて新しい発見、気づきがある」と語った。

その上で、数日前まで、ある作品の現場で仕事をしていたと明かした。「コロナになったことで、こんなに画期的なやり方があるのかと知った。今のテクノロジーを使い、コロナということでみんながアイデアを出したことで、新しい映画の撮り方、みんなの集まり方…出来たけど、誰も気付かなかったことがあった」と振り返った。そして「マイナスがあればプラスもある。プラスの面を探していくのが僕らの使命」と強調した。

大沢は取材会の中で「僕は日本一、けいこ場が嫌いな俳優」と言って、取材陣を笑わせた。その上で「いかに稽古をサボるかということしか考えていない。今回、実際に劇場でやって特殊なセット、音響を借りながら準備が出来る。サプライズの連続で直球のエンタメが出来ないか」と独特の言い回しで、劇場で準備が出来ることを喜んだ。

そして取材会の最後に「ただ劇場に来て舞台を見ました…お疲れさまでした、役者さん良かったですね、話が面白かったね、では…。やるからには、それ以上のリアクションがないと僕らは失敗」と観客に新たなエンターテインメントを提供する覚悟を示した。