「おたく評論家」としてテレビ番組などに出演したコラムニスト宅八郎(たく・はちろう)さん(本名矢野守啓=やの・もりひろ)が8月11日に、小脳出血のため東京・府中市の病院で死去していたことが4日、分かった。57歳。葬儀・告別式は近親者で行った。

90年代にオタク文化の盛り上がりとともにブレーク。長髪のめがね姿で、森高千里のフィギュアや紙袋を持つ姿で異彩を放った。日本テレビ系「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」や「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」などに出演するなど活躍。「イカす!おたく天国」「処刑宣告」などの著書も出版した。

また07年には東京・渋谷区長選に出馬。第一声では、トレードマークだったマジックハンドを手に「『渋谷系』といわれた時代は何だったのでしょうか。あのころのきらめきを今、取り戻そうではありませんか。渋谷を『萌える街』にしたい」と訴えた。落選したが「こういう機会が与えられることがあれば、チャレンジしたい」と話していた。

宅さんと交流のあった作曲家の片岡宏介氏はツイッターで「一時期は一緒にバンドもやり、アイドルのリミックスも一緒にやってCD出したり、ホントに毎日のように連絡とって仲良くしてました。ここ10年くらいは疎遠になっていましたが、突然の連絡で本当に驚いています」とつづった。精神科医の香山リカ氏や、劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチ氏らも追悼した。