宝塚歌劇団の雪組トップ望海風斗、相手娘役真彩希帆のサヨナラ公演「『fff-フォルティッシッシモ-』~歓喜に歌え!~」「シルクロード~盗賊と宝石~」が1日、兵庫・宝塚大劇場の正月公演として幕を開けた。

望海が芝居で演じるのはベートーベン。真彩とのコンビは当代きっての歌唱力を誇り、18年「ファントム」では圧巻のステージで魅了した。そんな望海の最後の役が天才音楽家。「ベートーベンの音楽にはやはり、ものすごい力があり、それを自分の中から発するには最大限のエネルギーをだしきらなければ」と言い、最後まで挑戦の扉を開く。

真彩は「謎の女」として登場し、ベートーベンの心を支え、歩む。ソロ歌唱もあり、美声をふんだんに響かせている。

次期トップ彩風咲奈は、ベートーベンが心を寄せる人物として描かれるナポレオン役。今公演で退団する人気スター彩凪翔はゲーテを熱演している。

「シルクロード」をテーマにしたショーは、アラビアの世界観を描いたストーリー仕立てで、「青い宝石」をめぐる物語。一輪の“青い花”へと変容し、望海がその花を次期トップ彩風へ渡す場面も設けられ、雪組の次世代へのバトンも表現された。

今公演で望海、真彩とともに退団する彩凪は、ショーでも見せ場が多い。幕開きに登場し「私自身もこの今の雪組の勢いにのって、千秋楽の幕が下りる瞬間まで男役を追求したい」とコメントしている。

今公演は、昨年来のコロナ禍で公演が半年遅れ、雪組2年連続の正月作で、望海らの退団となった。宝塚は2月8日まで。東京宝塚劇場は2月26日~4月11日。望海、真彩らは東京千秋楽をもって退団する。