俳優海宝直人(32)が26日、東京・日生劇場で、主演ミュージカル「The Illusionist-イリュージョニスト-」(27~29日まで)の公開稽古を行った。

19世紀末のウィーンを舞台に、禁断の恋に落ちる天才イリュージョニスト(幻影師)と公爵令嬢、国家の危機に苦悩する皇太子など、うそと真実に翻弄(ほんろう)される人々の人間模様を描く。日英共同企画の新作ミュージカルで、海宝は主人公の幻影師・(イリュージョニスト)アイゼンハイムを演じる。

同作は昨年7月に亡くなった三浦春馬さんの主演で上演予定だった。一時は公演実施も危ぶまれたが、別キャストで出演予定だった海宝が代役を務めることが発表されていた。

公開稽古では、代役を感じさせない迫力でアイゼンハイムを演じきった。約1時間45分のステージを終え、海宝は「いよいよ明日初日を迎えると思うと信じられない気持ちです。緊張もありつつ、お客様をお迎えできる喜びを感じています」と語った。

本番の約4カ月半前に三浦さんが急逝、開幕直前にはスタッフに新型コロナウイルス陽性者が確認され、公演開始を延期した経緯がある。海宝は「この作品はたくさんの山を乗り越えてきた。三浦春馬さんを失い、どう公演をすべきか悩み相談しながらやってきました」。キャスト、スタッフ全員が上演のために一致団結したといい「コロナの状況もあって心折れそうな瞬間があったし、作品が完成するのか不安もあった。その中でも全員諦めずに前進してきたからこそ、ここまでやってこられた」と周囲に感謝した。

海宝は「真実、うそ、何が悪なのかを問いかける作品。自分たちが今それを考えなければならない時で、時代にマッチしていると思う」と話した。