宝塚歌劇団雪組の人気スター朝美絢(あさみ・じゅん)が21日、兵庫・宝塚バウホールで、自身の東上初主演作となる「ロマンス『ほんものの魔法使』」の初日を迎えた。同所で6月1日まで上演後、KAAT神奈川芸術劇場で6月8~16日に公演予定。朝美にとって、関東地区初の主演作になる。

朝美は、すでにトップ娘役3人を輩出し、現在は星組トップ礼真琴、花組トップ柚香光と2人のトップ、月組の次期トップに内定している月城かなとらと同期の「黄金世代」95期の人気スター。目鼻立ちのはっきりした抜群の美貌、華やかなオーラ、大きな目から放たれる圧倒的な目ヂカラでも、ファンを魅了してきた。

今回、魔術を駆使して人の温かみを訴える青年にふんし、フィナーレでは黒えんびでのダンスも披露。前日20日に同所で通し舞台稽古を行い、終了後には「(コロナ禍の)このような状況下で、昨日(19日)からの舞台稽古も終えられました」と、スタッフらに感謝。「出演者一同(千秋楽まで)完走できるよう、気を引き締めて最後まで頑張りたいと思います」とコメントした。

今作は、米作家ポール・ギャリコ氏が1966年に発表したファンタジー小説をもとに、木村信司氏の脚本・演出でミュージカル化。魔術の都マジェイアを舞台にしたファンタジー作で、「魔法」「魔術」を題材に、無垢(むく)ゆえに浮き彫りになる人間ドラマも描き出す。

言葉を話す犬モプシーを連れたアダムは、街で娘ジェインと出会う。アダムはジェインを助手に迎え、手品師試験の予選会に出場。審査員をうならせるトリックを見せ、騒動が巻き起こっていく。

朝美は青年アダムを演じて主演。犬のモプシー役は、15年入団の101期生、縣千(あがた・せん)が熱演を見せた。ヒロインのジェインは野々花ひまり。

◆男役10年目 攻めの視線、攻めの姿勢/朝美絢

◆山崎賢人をイメージしてツンデレ王子になる/朝美絢

◆「PUCK」新人公演で初主演/朝美絢