テノール歌手秋川雅史(53)が26日、神奈川・杜のホールはしもとで、コンサートツアー「千の風になってコンサート~聴いてよく分かるクラシック3~」を開催した。

秋川にとって約3カ月ぶりのステージで、47都道府県を巡るコンサートがこの日、幕を開けた。代表曲「千の風になって」の発売から15年。秋川は「15年間この歌を歌わなかったステージはない。私自身、この曲に成長させてもらった」としみじみと語った。

「千の風-」で06年NHK紅白歌合戦に初出場し、07年オリコンシングル売上では年間1位を獲得した。楽曲が社会現象化し「正直あの頃の状況は怖かった」と振り返ったが、楽曲で涙を流す人の多さに「心のエネルギーに必要としている人がいるんだと、責任感を感じるようになった」と話した。

コロナ禍で、昨年は約半年間ステージに立つことが出来なかったという。その間は趣味の彫刻に打ち込み「ステイホームの時間は、完全に彫刻家になっていた。力作が仕上がったので、二科展に出そうと思っている」と自信。トレーニングも怠らず、水泳や陸上で日々体を鍛え「シルバー世代の陸上に出場してみようかな」と野心も見せた。おかげで「この1年は風邪をひいていない。歌は人生の中で一番絶好調!」とアピールした。

コンサートでは、「千の風になって」など全12曲を披露。秋川は「この1年は暗いニュースばかりだった。『千の風になって』は人の気持ちを前向きにさせてくれる曲。心の中にいい風が吹いて、明日から前向きに生きようという気持ちになってくれれば」と期待を込めた。