1959年の東映ニューフェイス6期で千葉真一、太地喜和子さんらと同期で、名悪役でもあった俳優の亀石征一郎さんが11日、82歳で死去した。所属事務所が14日、公式ホームページで発表した。

発表によると、亀石さんは11日午前5時25分、多発性脳梗塞のため満82歳で死去。「2021年5月12日に脳梗塞で倒れて以降、復帰に向けてリハビリを続けてまいりましたが、残念ながらかないませんでした」と報告し、「ここに生前のご厚誼を深く感謝するとともに、謹んでお知らせ申し上げます」とつづられた。

所属事務所は、日刊スポーツの取材に対し、「3~4年前から人工透析をしていて、表舞台でのお仕事ができないような状況が続いていたので、最近は主に本の執筆をしていました」と近況を明かした。

亀石さんは、晩年、別荘のある静岡県・伊豆に住み、静かに余生を送っていたという。5月12日に脳梗塞で倒れてからも、コロナ禍のため、面会をすることが制限されており、「(亡くなった今月11日も)早朝に連絡をいただいたんですけど、遠方だったため、皆さん間に合わなかったんです」と悔やんだ。

お別れの会などの開催については「昨日告別式を終えたばかりなので、まだお話はできていないのですが、遺族の方と相談して、考えていこうかなと思っております」と話した。ただ、故人が静かな家族葬を望んでいたことなども考慮し、お別れの会を行わない可能性も示唆した。

亀石さんは60年代から東映や大映の作品で活躍。空手2段で殺陣を得意とし、後年は悪役として名をはせ、「江戸を斬る」「水戸黄門」「かげろう忍法帖」などにも出演した。

東映ニューフェイス同期の千葉は親友。千葉が服部半蔵役で主演した85年「影の軍団IV」、同年「影の軍団 幕末編」では、宿敵・楯岡道雪役を演じた。

NHK大河ドラマにも出演。息子3人はファッション業界などで活躍し「亀石三兄弟」として知られている。

三男の龜石太夏匡(たかまさ)はこの日未明、自身のツイッターを更新し、征一郎の写真と共に「7月11日に父・亀石征一郎が他界しました。ここ数年、何度も奇跡的な復活を遂げていました。故人の思いもあり家族葬でお別れをしました。誰に対しても態度を変えず出会う全ての人に生きる上で本当に大切なことを全力で伝えてくれました。家族を愛し日本を愛し命を燃やし生き切りました」とつづった。