血液のがんの一種、症候性多発性骨髄腫を患い、リハビリ中の漫才師宮川花子(67)が19日、奈良県生駒市で、約2年半ぶりに舞台へ出演した。たけまるホールで開催された「生駒寄席~Withいこまふるさと演芸会~」に、夫の宮川大助(72)と登壇し、トークを展開した。

車いすに乗った花子が…ではなく、夫の大助を車いすに乗せ、花子が押して自分で歩いて舞台中央へ。いきなりの“ギャグ”に客席から拍手が巻き起こった。

投薬治療と、歩行のリハビリを続ける花子だが、そこは“転んでもただでは起きない”漫才師。車いすに自分が乗るのではなく、予想を裏切る王道の笑いへと転化して客席をわかせた。

夫の大助を美化して紹介して、落とす-必殺のマクラも健在。大助を「大谷翔平です」と紹介し、大助があわてると「なんで? 畑仕事もやって二刀流やんか」と切り返し、歯切れいいトークで笑わせた。

同寄席は当初、今年4月に開催予定だったが、コロナ禍で延期されていた。

花子は「2年半、心配かけました」とあいさつし、車いすのギャグには「こんなに元気やし、皆、びっくりしたでしょ。まさか大助君が車いすで私が押してくるとは…ね!」。大助が「(自分が車いすで)申し訳な(い)」まで言いかけると、花子は「これは狙ってました」とピシャリ。“婦唱夫随”の大花漫才さながらに、スピーディーなやりとりを展開した。

トークでは大助が「結婚45年…恋愛で」などと切り出すと、花子は「当たり前やん。見合いで誰が(大助を)選ぶ? (紹介写真)見て、ピッ(捨てるしぐさ)やで」。結婚と同時に夫婦漫才を始め、兄弟子のように花子を夫婦漫才に導いた大助との絆あっての応酬も健在だった。

花子は19年6月に救急搬送され、即入院。診断を受けて治療を始め、20年4月に退院し、舞台復帰を目指していたが、コロナ禍でもあり、これまで、テレビのレギュラー番組にはリモートで出演するなどし、体調を整えてきた。

ここまで、花子を支えてきた大助に「毎日病院来てくれて」と感謝。ただし、これも即座に「毎日病院来て昼ご飯食べて帰った」などと、落としてわかせていく。以前、大助が脳内出血で倒れたことも引き合いに「脳がないのに、脳内出血やて」。大助も「俺が倒れた時は嫁はん1人で頑張ってくれたけど、(花子が倒れ)俺が1人で頑張ろう思うたら、会社に『逆に迷惑』言われた」などと笑わせていった。

花子は依然として治療を継続しており、「今日初めて靴はいたけど、感覚ないねん」とも吐露。ただ、舞台へ上がれば芸人の血が騒ぐようで、椅子に座って両足を何度も上げてみせ「よう上がるわ」。15キロ減量となったというが、しゃべりは休養前にも増して達者で「楽しい」「幸せ」と何度も繰り返し「私は(病と)100戦100勝します。99歳でもここ(地元寄席)出てきます」と力強く宣言した。

言葉に詰まりがちだった大助の癖を逆手にとり、花子が機関銃トークでネタを進める「大花漫才」は、大阪・なんばグランド(NGK)のセンターマイク前へ立ってこその“復活”になる。大助花子は漫才復帰を目指し、リハビリを続けていく。【村上久美子】