宮野真守(38)が23日、東京・新宿ピカデリーで行われたアニメ映画「銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第一章」(多田俊介監督、3月4日公開)完成披露上映会舞台あいさつで「こういう時期だからこそ、人が自分の人生を、どう生き、全うするか見せてくれる作品だと思う」とコロナ禍の中での「銀河英雄伝説」の魅力を訴えた。そして作品を作り上げた思いと、見に来てくれた観客への感謝の思いを口にして、目頭を熱くした。

「銀河英雄伝説」は、作家の田中芳樹氏が1982年(昭57)に徳間書店から第1巻を刊行し本伝10巻、外伝5巻、累計売り上げ1500万部を記録し、今も増刷が続くSFシリーズ。88年にはアニメシリーズが本伝110話、外伝52話、長篇3作、制作された。

「銀河英雄伝説 Die Neue These」は、18年4月にProduction I.Gが新たな声優陣、最新の技術での艦隊戦、新たな解釈で新作アニメとして制作した。

宮野は舞台あいさつの冒頭で「僕らは、走り始めてから最後までやりたいという思いを共有しながら作ってきました。新シリーズが立ちあがった時『最後まで10年かけていければいいね』と言ったら、もう5年たっている」と笑った。その上で「ゆっくり、ゆっくりですけど着実に僕らの思いは進んでいる。アフレコは、少し前にやっていて、ようやく見ていただける」と制作状況を振り返った。

劇中で、宮野は銀河帝国の最高権力者ラインハルト・フォン・ローエングラムを演じた。19年に上映された前作のセカンドシーズン「星乱」(第13話~第24話)では、盟友で副官のジークフリード・キルヒアイス(声=梅原裕一郎)が、自らをかばってクーデターを起こしたリップシュタット貴族連合の凶弾を浴び、帰らぬ人となる。今シリーズは、喪失感を抱えたラインハルトを支えていく、銀河帝国の「双璧」ウォルフガング・ミッターマイヤー(同=小野大輔)とオスカー・フォン・ロイエンタール(同=中村悠一)が、ラインハルトへの忠誠を誓った日のことを思い返す物語。

ラインハルトは、亡き友キルヒアイスの写真を収めた、ペンダントを首から下げ、そのペンダントに手を当てるシーンが再三、描かれる。宮野はそのことを踏まえ「ラインハルトは大事なものを失った中、ベクトルを向けている部下がいることを感じてもらえる…1人ぼっちではないところを見てもらえると思う。ラインハルトは前を向きすぎていて、周りはどう見ているか、感じてもらえると思う。彼の目指すものは変わっていないけれど、様相が変わってきた姿が苦しく見えたり…ただ進んでいく姿を見て欲しい。ここ(胸)に意味があると思って演じています」と「-激突 第一章」について語った。

そして、舞台あいさつの最後に「僕らも、作品に参加しながら舞台あいさつをやらせていただくと、キャストと会って、でも(間には)ついたてがあり…」とコロナ禍の作品作りの難しさを吐露。その上で「でも、諦めず作品作りをし、見ていただく。皆さんも気を付けて来てくださっている。僕らもエンターテインメントを届けるために、頑張ろうという気持ちにさせられました。それぞれが、自分を大事にしながら、エンターテインメントを、これからも一緒に楽しんでいきましょう」と客席に呼びかけた。