伊藤沙莉(27)が4日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた主演映画「ちょっと思い出しただけ」(松居大悟監督)大ヒット御礼舞台あいさつで、初共演の大関れいか(25)が以前、オーディションの場に足を骨折したまま来て困っていため、車で最寄り駅まで送ったと明かした。

ただ、大関がその後、バーベキューに行くと聞き、驚いたと笑いながら振り返った。

伊藤は劇中で、池松壮亮(31)演じるけがでダンサーの道を諦めた照生の彼女のタクシードライバー葉を、大関は葉の友人・さつきを演じた。伊藤は大関との共演について聞かれ「共演は初めてなんだけど、映画オーディションでお会いしたことがあって、足を骨折したまま来て」と振り返った。伊藤は、大関が人気を博した動画投稿SNS「Vine」に投稿した歌が、もともと好きだったといい「歌を歌うオーディションで、めちゃくちゃうまかった」と振り返った。

その上で「(オーディション後)一生懸命、駅に帰ろうとしていたから。私は、おばの車で来ていたので『送りましょうか?』って声をかけて。緊張していたら『いいっすか?』と」と、大関をおばの車に乗せたと明かした。伊藤は、どこの駅に行くかと尋ねた際、大関が「代官山の方で、バーベキューやるんで」と口にしたことに驚いたと振り返った。

会場が笑いに包まれる中、伊藤は「骨折してるのにバーベキュー行くんだって思って…。好きだったんでしたけど、もっと好きになった」と振り返った。「ちょっと思い出しただけ」で友人同士の役を演じることが決まって「うれしかった」という。伊藤が「バーベキューに連れて行くなんて、長年の友だちでしょ」と笑うと、大関は「すみません、車で送っていただいて。懐かしいですね」と笑顔で感謝した。

映画は、ロックバンド「クリープハイプ」の尾崎世界観が愛する映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」から着想を得て作曲した「ナイトオンザプラネット」に、同監督が触発されて脚本を作り上げた、オリジナルのラブストーリー。けがでダンサーの道を諦めた照生と彼女でタクシードライバーの葉との、コロナ禍以前からの6年間を描いた。21年の東京国際映画祭では観客賞を受賞し、審査委員長を務めたフランスの名優、イザベル・ユペールからは、スペシャルメンションを贈られた。