放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は9日、11月に審議入りしていたテレビ朝日系情報番組「大下容子ワイド!スクランブル」について、放送倫理違反があったと結論づけた。

テレビ朝日は昨年10月、同年3月から10月にかけて放送された視聴者からの質問に答えるコーナーにおいて、事前に番組側が用意していた質問を視聴者からの質問として偽って放送した事例が見つかったと発表し、謝罪した。BPOは同年11月、審議入りを決定していた。

同委員会は審議の結果を公式サイトで発表し「質問は視聴者の関心事やその傾向を示す重要な事実情報であり、本件放送のようにそれらを制作者が歪めることがあってはならない」と説明。また「本件放送で扱われた質問は、視聴者の意見表明とは必ずしも言えないが、投稿者の属性を書き換えることはその出所を不明確にするものであり、日本民間放送連盟の放送基準の『(32)ニュースは市民の知る権利へ奉仕するものであり、事実に基づいて報道し、公正でなければならない』『(35)ニュースの中で意見を取り扱う時は、その出所を明らかにする』に反しているとして、放送倫理違反があったと判断した」としている。