山田洋次監督(90)が8日、東京・葛飾区の葛飾柴又寅さん記念館・山田洋次ミュージアムのリニューアル式典(オープンは9日)に出席した。

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葛飾柴又寅さん記念館は1997年(平9)11月、山田洋次ミュージアムは2012年(平24)12月に、それぞれ開設。19年10月には両館の入場者数は累計で500万人を突破した。山田監督は「とても今日は、うれしい日、4000、5000の記念館、美術館はコロナの後、閉館、休業が増えているという時期に、9度目のリニューアルをして、お目にかかれる。こんなにうれしい日はない。葛飾区役所のサポート、松竹、関係者の寅さんを通じての愛情。柴又の商店街、街の人々の力強い指示があって、リニューアルを迎えられた。いつまでも続いて欲しい」と喜んだ。その上で、渥美清さんが演じた主人公の寅さんを踏まえ「寅さんのような稼業の人、優しく、複雑な人間関係を処理する人が育つためには、どのような環境が必要かという課題を解決するために、そういう問題こそ考えられるような記念館になって欲しいと思っております」と訴えた。

寅さんの妹さくらを演じた倍賞千恵子(80)は「何だか、しばらくです。元さくらです。ここに来る度に、お兄さんがいると思っちゃうんです。ふと、どこかの陰からお兄ちゃんが出てくる気がしてならなかった。記念館が25年、山田さんのミュージアムが10年。よくぞ長く続けてくださった。映画の仕事は、たくさんの人がいないと、なかなか出来上がらない。支える人が居ないと、続けられない。もう1度、いろいろ変え、見てもらおうと2、3年に1度、リニューアルし、見ていただこうという気持ちが私は今日、分かりました」とあいさつした。

今回のリニューアルの目玉は、山田監督の友人である、画家の藪野健氏が「男はつらいよ」と柴又をテーマに描いた20点の絵画と、山田監督が修業時代を含め、多くの時間を過ごした松竹大船撮影所を再現したジオラマ現。さらに「男はつらいよ」の世界観や昭和の時代の雰囲気を感じ取ることが出来る、携帯端末を利用して参加できる「AR謎解きラリー篇」と、紙ベースで参加する「寅さん記念館・山田洋次ミュージアム施設めぐり篇」を導入する。