第26回手塚治虫文化賞贈呈式が2日、東京・築地の浜離宮朝日ホールで行われ、谷口菜津子氏に新生賞が贈られた。同賞は、斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者に贈られ、「教室の片隅で青春がはじまる」(KADOKAWA)「今夜すきやきだよ」(新潮社)の2作が、多様性を柔らかな筆致で描いたと評価された。

あいさつではスピーチが「すごく恐ろしい」と告白した。トラウマになったのは小学校の時で、作文コンクールでうその作文を書いたら、それが表彰をされたことがあったという。その時の罪悪感がスピーチ嫌いの原点。そして「今回も架空の話を描いて賞をいただいたわけだから、ちょっと似てるなって思ったんですけど、その時と違うのが、協力してくれた人々がいっぱいいること」だと説明。「だから、嫌な気持ちを抑えて、どうにかしてここに立ちたいなと思ってきました。お礼をすごく言いたいんです」。その後で読者や家族、編集者らに心のこもった感謝の言葉を伝えた。

 

◆手塚治虫文化賞 手塚治虫氏の業績を記念し、手塚氏の志を継いでマンガ文化の健全な発展に寄与することを目的に朝日新聞社が97年に創設。国内で刊行・発表されたマンガで、優れた成果をあげた作品および個人・団体に贈られる。4つの賞がある。

▼マンガ大賞 年間を通じて最も優れた作品に贈られる。

▼新生賞 斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者に贈られる。

▼短編賞 短編、4コマ、1コマなどを対象に作品・作者に贈られる。

▼特別賞 マンガ文化の発展に寄与した個人・団体に贈られる。