歌舞伎俳優市川海老蔵(44)が5日、長野県山ノ内町で、8回目となる植樹活動「ABMORI(エビモリ)」に、長女市川ぼたん(10)長男堀越勸玄君(9)と参加した。14年から続けてきた森林再生活動や、先月31日に発表された13代目市川團十郎白猿の襲名披露公演について語った。

開会式典に続いて行われた取材会で、海老蔵は襲名披露公演について語った。発表以来、生コメントするのは初めて。「おめでとうございますという方々が多かったなということと、ようやくですねと。20年5月から始まる予定でしたが、コロナ禍の中で実質2年半の延期という形ですから、楽しみにしてくださっている方々にはお待たせしたなということのリアクションが大きかった」と話した。

さらに「この2年間で自分なりの考え方が変わってきました。團十郎いうもののとらえ方とか、世の中が考えている團十郎像と実際團十郎がやってきたことのギャップとか、今の時代に求められている歌舞伎俳優としての團十郎という存在を考える時間ができたということは幸せだったなと思います」とした。

8代目市川新之助を名乗る勸玄君は「発表された時はうれしかったです。やっと襲名ができると思ってうれしかったです。待ってた方々には楽しませていきたいなと思います。頑張ります。自信はあります」と力強くコメント。自信のほどを聞かれると「51%」と応じた。

19年に襲名披露公演を行っているぼたんは「私が先に市川ぼたんを襲名させていただいて、弟もすっごく新之助になりたいというのはすごく伝わってきて、やっと来たんだなとうれしく思いました」と弟を思う気持ちを語り、「お父さんが團十郎になるというのはうれしくて、もっとお父さんの舞台を見たいなとか、勸玄の舞台を見たいなとより思いました」と話した。

植樹活動を行うことについて海老蔵は、子供たちを見ながら「次の世代たちに対して、ちゃんとこの環境をパスできるのかというのは我々世代がしっかりと向き合わないといけない」と話した。

妻の故小林麻央さんの紹介で、森林再生を行う横浜国立大名誉教授の宮脇昭氏を紹介され「ABMORI」プロジェクトが始まった。宮脇氏が昨年亡くなり、海老蔵は「宮脇先生が1年前に亡くなられ非常にショックでした」と悼み「いろんな多種多様な苗木を植え、自然淘汰(とうた)されていくことによって、苗木が林、森になり、自然環境が整う。そういうところに、宮脇先生はフォーカスしながらと自然環境に向き合っていた」としのんだ。

この日は一般参加者、小学生、高校生ら計500人が参加した。