役所広司(66)が18日、東京・丸の内ピカデリーで行われた主演映画「峠 最後のサムライ」(小泉堯史監督)公開御礼舞台あいさつで、妻を演じた松たか子(45)から「この人のためにやりたくなる吸引力がある、チャーミング」と瞳を褒められた。
役所は劇中で長岡藩の家老・河井継之助を、松は継之助の妻おすがを演じた。継之助は家老として藩の未来の判断を託される重責の一方で、自分が楽しい芸者遊びにおすがを誘ったり、街で襲われても家老ながら真っ向から戦うなど、奔放な一面を持つ。その魅力について聞かれた役所は「家庭人としての継之助さんは、家にほとんどいなかったような人なんですけど、それでも妻おすがは、継之助さんがいるだけで楽しくて仕方ない…そういう妻。『亭主、元気で留守がいい』という広告もありましたが、全く逆で、とにかく側にいてくれると幸せという、夫婦関係を気付いた継之助さんは、男として魅力的なんだと思いました」などと評した。
それを聞いた松は、うなずきながら「私は役所さんが生きられた継之助さんを見ていた。継之助を見ているのか、継之助さんを追いかけているのか…両方が交ざりますけど」と説明。その上で「とても継之助さんの目が輝いていて、ニコッとされると、男性と女性も、この人のためにやりたくなる吸引力がある、チャーミングなことがある」と役所が演じた継之助を評した。その上「(継之助の瞳の中に)入っていっちゃう、すてきな魅力があると眺めていました」と撮影を振り返った。
役所は、松の意見を聞くと「継之助は、いろいろな後ろめたいこと、たくさんあるんでしょうね。だから、キラキラして見ていたんだと思います」と笑った。その上で、劇中で、継之助が長崎の踊り「看々(かんかん)踊り」を踊ったシーンについて聞かれると「「看々踊り」って聞いただけで汗が出る。踊りを覚えるのに時間かかった。僕は1発OK…踊りは、ずれているんですけど、松さんは1発OK」と振り返った。松は「私の踊りは薄い…楽しく踊りました」と笑みを浮かべた。
また役所は、継之助の幼なじみ川島億次郎を演じた榎木孝明(66)から「良い役が回ってくるよね? と聞いたら『運が良いだけ』と言われた」とツッコまれると「いつ、運が尽きるか…ドキドキしていますけど」と笑った。
「峠 最後のサムライ」は、司馬遼太郎氏の名著「峠」の初映画化作品。1867年(慶応3)年の大政奉還で260年余りに及んだ徳川幕府は終焉(しゅうえん)を迎え、諸藩は東軍と西軍に2分していく。翌年の鳥羽・伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が勃発。越後の小藩、長岡藩の家老・河井継之助(役所)は東軍、西軍いずれにも属さない、武装中立を目指す。戦うことが当たり前となっていた武士の時代、民の暮らしを守るために、戦争を避けようとしたのが、和平を願って臨んだ談判は決裂。継之助は徳川譜代の大名として義を貫き、西軍と砲火を交えるという決断を下す。



