今月3日、TUBEが横浜スタジアムで開催した、夏恒例の野外ライブ「TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2022 Reunion」を取材した。

有観客での同スタジアム公演は3年ぶりで通算すると33回目。もちろん、同スタジアムでの開催回数は断トツだ。

横浜スタジアムの最寄り駅。JR関内駅や、みなとみらい線の日本大通り駅からは、ファンの行列が続いていた。多くはTUBEのタオルやTシャツなどを着用。老若男女という表現がピッタリで、若いカップルから、中年夫婦、家族連れまで、TUBEファンの幅広さを実感した。

ライブは「だって夏じゃない」でスタート。ボーカル前田亘輝らメンバーは4人乗りの特製3輪車で、バックステージから中央ステージまで登場。オープニングからファンを笑わせて乗せる、TUBEならではの演出だ。続いて「さよならイエスタデイ」「夏だね」を披露した。

これまでも、TUBEの野外ライブ取材してきた。その中でも、記憶に残るのが、デビュー15周年記念コンサートだ。会場はハワイ・オアフ島最大の競技場、アロハスタジアム。当時の記事をあらためて見ると、2万1000人の観客が詰めかけたとある。ちょっと、引用してみる。

 

「サマー・ドリーム」をハワイアンバージョンで歌うなどハワイを意識した演出が随所に表れた。使用した水と火薬の量も圧巻だった。「LOVE SONG」では、高さ30メートル、幅50メートルの水の壁をつくり上げ、前田はびしょぬれになりながら歌った。「HOT NIGHT」では、水を火薬によって大爆発させ、アリーナ席の前方半分まで水しぶきが飛ぶ大演出だった。バラードも含めて全35曲、3時間を超えるコンサートに日本から駆け付けたファンも、地元観客も酔いしれた。

 

記事には、アロハスタジアムで公演を行ったアーティストの一覧もあった。これも、引用してみる。

 

82年=スティービー・ワンダー。83年=ビリー・ジョエル、85年=フランク・シナトラ、95年=イーグルス、97年=マイケル・ジャクソン、グロリア・エステファン、ホイットニー・ヒューストン。98年=ローリング・ストーンズ、マライア・キャリー。99年=ジャネット・ジャクソン、セリーヌ・ディオン。

 

大物アーティストの名前ばかりが並ぶ。もちろん、邦人が同スタジアムでライブを行ったのは初めてだったが、それ以上に、誰もができる会場ではないことがわかると思う。

横浜スタジアム公演でも「夏を待ちきれなくて」「夏を抱きしめて」「Beach Time」など、ハマスタスペシャルメドレーを編成。前田は「やりそこなった35周年」と強調した。ヒット曲ばかりを並べた構成は、ファン心情のツボを押さえ、会場はボルテージが最高潮に達した。

これこそが、TUBEがファンの心をつかんで離さないポイントだと思う。コロナ禍で変わったとはいえ、多くのアーティストは、新アルバムを出した後でツアーをやるケースが多い。もちろん、配信も含めて、アルバムを売るために、コンサートをやるというマーケティングは正しい。それでも、周年を重ねるバンドやアーティストのファンにとっては、昔のというと語弊があるが、誰もが思い出のある往年の楽曲を生で聴きたいという気持ちが強い。ファンはアーティストを”推す”立場なので、新曲ももちろん聴きたいのだが、強いていうならという気持ちの方が強いと思う。ファンとのギャップが発生するアーティストが多い中、TUBEはファンに寄り添う気持ちがことさら強いのだと思う。

コロナ禍と重なり、35周年のライブを盛大に行うことはできなかった。その分だけ、40周年記念コンサートに期待したい。 【竹村章】