先日、国際パラリンピック委員会とWOWOWの共同プロジェクト「『WHO I AM』新シーズン記念トークイベント」を取材した。そこで、MCとして登場した元プロテニス選手でスポーツキャスターの松岡修造(55)の熱すぎるトークに驚かされた。

この日は29日から放送・配信が開始される、エンターテインメントの世界の第一線で活躍する多彩な表現者たちが登場する、新シリーズ「ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM LIFE」を記念して、車いすで活動しているアイドルグループ仮面女子の猪狩ともか(30)陸上パラリンピック金メダリストの伊藤智也選手(59)作曲家のマイケル・ハウウェル氏、同番組でナビゲーターを務める俳優西島秀俊(51)が特別ゲストとして登壇した。

同イベントは2部構成で、第1部で特別試写会を行った後、第2部でトークイベントが行われた。松岡はメインMCにもかかわらず、トークイベント開始前に突如ステージに登場した。準備をする報道陣には「もっと本気出して!」と鼓舞。本番前のメディアブリーフィングでは、カメラのホワイトバランスを合わせている最中にも「ホワイト大丈夫ですか? 行けますか? もう少し…もっと全力出してくださいね」と会場のスタッフが行うはずの仕事まで行い、報道陣の席からも笑いが起きた。

さらにトイレの行列で開始時間が押していることがわかると、ステージから会場の外に向かって「ちょっと全力出して」と伝え、観客も笑わせた。

トークイベントは10分ほど押してスタートしたが、開始直前まで、東京パラリンピックの話題から最近のテニスの話題までしゃべり続け、松岡も「伝えたいことが多すぎて…」と苦笑いを浮かべたが、話題を欠かさず、観客を飽きさせないサービス精神に驚いた。

その後登場した、陸上パラの伊藤選手も「メインMCが前説やっているのを初めて見ました。その情熱には負けますね」と松岡の熱さにタジタジ。障がいを持つ3人に対して松岡は「私台本とか関係ないので、失礼なこと聞いてしまうかもしれないです」と断りつつ「台本の言うことを聞かないで聞きます」と矢継ぎ早に質問を開始した。

作曲家のマイケル氏には通訳を通しての質問となったが、何度も前のめりにうなずく様子が印象的で、松岡のその姿勢に観客も引き込まれているように感じた。松岡に乗せられて3人も熱のこもったトークを繰り広げたが、突然ステージ前にタイムキーパーが「残り5分」と表示すると「ちょっと待ってくれよ! あと5分しかない。もらった質問案の中から1個も聞いてないよ」と苦笑いしながら、自虐した。

トークイベント後半に登場した西島はステージ裏でトークを聞いていたといい「僕は出なくてもいいんじゃないかなって」と笑ったが、松岡は西島にも質問攻めしていた。

松岡はトーク後に「本当に早かった。でも思ったより話してくれましたね。心の声を言葉に出来ているような感じがした」と話した。トーク中何度も「失礼なこと聞いてしまうかも」と断りながら質問していたが、松岡の思いやりと熱さが3人の胸の内を聞き出し、会場を一体にしているような気がした。【加藤理沙】