英王室を離脱したヘンリー王子(38)とメーガン妃(41)夫妻がチャールズ国王から英国に所有する邸宅フロッグモア・コテージからの退去を求められたことで、2人の子どもたちに称号が与えられる可能性が低くなったと英エクスプレス紙が報じた。

王室のスリム化計画の一環として国王は弟のアンドルー王子に譲り渡すため、米カリフォルニア州に移住した夫妻にエリザベス女王から結婚祝いとして贈られた邸宅を明け渡すよう求めていることが報じられ、夫妻の代理人もこれを認めている。一方で、そのタイミングが王子が暴露本となった回顧録「スペア」を出版した直後だったことから、「残酷な罰」と夫妻の関係者は王室を非難していた。

王室の専門家で作家のリチャード・フィッツウィリアム氏は、アーチー君(3)とリリベットちゃん(1)が称号を与えられる可能性について言及し、フロッグモア・コテージの退去を命じられたことは称号を与えられる可能性が低くなったことを意味するとコメント。一家は2020年に米カリフォルニア州に移住しており、子どもたちは英国を訪問する機会がほとんどないことも理由として付け加えている。

エリザベス女王が昨年9月に死去したことに伴い、チャールズ3世が新国王となったことで夫妻の2人の子どもたちは「王子」と「王女」の称号を持つ資格を得た。しかし、女王が逝去して半年が経過する現在も、王室からは未だ2人の称号に関する正式な発表はなされていない。夫妻は子供たちの称号を求めていると言われているが、国王は昨年末に公開された夫妻のドキュメンタリー番組と回顧録の内容を確認してから与えるかどうか決めると報じられていた。

一方で、ヘンリー王子夫妻をフロッグモア・コテージから退去させようとする国王には批判も出ている。別の王室専門家は女王からの贈り物である邸宅からの立ち退きを迫るのは和解を望んでいた女王の意に反すると述べ、「間違いだ」と国王を批判している。また、未成年への性的虐待の容疑で公務から退いた弟アンドルー王子に譲るという案についても、「ヘンリー王子とアンドルー王子の問題を混同している。対立する息子よりも恥をかかされた弟を気にかけているように見える」と非難が出ている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)